Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

マサチューセッツ大学ボストン校
2018年6月号 政策学部 K.I

この留学を振り返って

この留学生活を振り返ると、8カ月ほどでしたが、やはり相当早かったように感じます。最初の数カ月は「思っていた生活と違う」と感じる事が多く、授業についていけるかどうかという不安もあった為、精神的に疲れていました。しかし時間が経つと共に、友達ができ始め、生活にも慣れてくるので、いろんな事に挑戦し楽しむ余裕がでてきたのかなと思います。

ボストンの良い所は、いろんな人に会う機会、話を聞く機会がたくさんあるところです。Facebookのイベント欄を覗いてみるだけでも、様々なイベントが行われている事が分かります。それは例えば、同じ趣味を持つ人の集まりであったり、教授によるパネルディスカッションであったり、アメリカ在住の日本人が「日本」について話す会であったりと様々です。広島で被爆された方のトークショウもありました。ほとんどのイベントは、参加費不要である為、非常に参加しやすいです。

ボストンには、ハーバードやMIT、有名な音楽学校がある為、様々な考えを持ち、いろいろな面白い活動を行っている人に出会う機会が豊富にあります。自分には無かった視点や考え方を吸収できるだけでなく、自分の持つ可能性、選択肢の多さに気付く事ができます。

無意識のうちにレールに乗せられ、好きな事、やりたい事を見失ってしまいそうな日本のシステムの中で、いったん外に出て、俯瞰的な目線で自分を見直す事ができた留学生活だったなと、振り返った今、思います。

 

帰国後どう留学経験を活かすか

留学経験を通じて、多様性を受けれていく心が育まれたように感じます。人種やジェンダーが入り混じり共存している空間に、1年という短い期間でも身を置けた事は、自分がこれから様々な人々と関わっていく上で、とても重要であったなと思います。人種という点で、もしくは言語という点で、マイノリティとなる経験は多くの人ができるものでは無いと思います。またそういった劣等感を日々肌で感じる中で、その垣根を越えて優しくされた経験や、助けてもらえた経験は、これからの自分にとって大きな財産となり、これから自分が人々と接していく上で、様々な人々を受け入れる寛容なこころを形作ってくれたと思います

アメリカには根強い差別意識が存在していましたが、それと同じくらい、反対派や被差別者のエネルギーやパワーがあるように感じました。まだそういった問題が強く表面化していない日本にとって、差別意識を自ら認識する事は難しい事ですが、日本では差別が少ないと考えいる人、意識さえしていない人というのは、無意識に差別する側に立ってしまう可能性がある事も事実です。

私はこの留学経験から、自分にも差別意識があった事を認識しましたし、意識して是正するよう心がけることができるようになりました。また、差別されない事が当たり前でない事も知りましたし、優しくされ心から感謝する経験を多くしました。このような経験は、とても価値のあるものだと思いますし、海外から日本に来た人々が同じような気持ちになれればと思いました。