Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

米国仏教大学院
2013年4月号 文学部 Y.K

1 この一年をふりかえって。

この一年は、あっという間に過ぎていきました。あまりにも中身の濃い一年で、一ヶ月が一週間のようにかんじました。わたしの場合は、二人の子供を連れての交換留学でした。おそらく龍大の交換留学では、初めてのケースで先生方、事務の方にもいろいろとご迷惑をかけました。また、那須先生とリサ先生には暖かいアドバイスと励ましを何度もいただきました。お二人がおられなかったら、わたしの留学はありえなかったと思います。また武田龍精先生が、最初に交換留学のことをすすめてくださらなかったら、今のわたしはなかったと思います。一年をふりかえると本当にすべてのことに感謝でいっぱいになります。
子連れ留学で、本当に勉強ができるのであろうか?ということは私自身不安でありましたが、結果的にはしっかり勉強させていただけました。アメリカでは子連れで勉強しているママさんは珍しくありません。
子供の学校の送り迎えや、行事、お付き合い、遊びなどに時間はとられますが、そのぶん時間に迷いがなく、今しかない、という時間に集中して勉強ができました。
わたしの場合は、子供が起きるまでの早朝と、学校にいっている昼間の間が一番集中できる時間でした。
子供がいたにもかかわらず、ほとんどクラスを欠席することもなく、ペーパーの提出もすべて終わらすことができたのは、とてもうれしいです。
また、ママ友達ができることで、子供をあずかってもらえたり、わたしもあずかったりで、より深い関係を結ぶことができました。
日本ではまだまだ、子育てママが留学することは少ないケースですが、本当に素晴らしい体験となりますので、もっとこれからふえていくといいな、と考えています。

2  帰国後、どう留学体験をいかすか?

わたしにとってこの留学は、将来を決定づけるものとなりました。浄土真宗の教師として、日頃から英語で法をつたえることに興味をもっていました。今回の留学の経験から、開教師の仕事を志すことを決めました。
こちらにこさせてもらったことで、いくつかの教会で法話をさせていただく機会を得ました。サンフランシスコ、オークランド、バークレー、などで話させていただきました。そのときに、みなさんとお話をすることで多くの刺激を受けました。
アメリカでは、禅宗が人気ですが、そのなかでも、ながらく座禅をこころみてきながらも、答えを見いだせず浄土真宗に期待をされている方もあります。また浄土真宗のことをもっと深く知りたいと思っているアメリカ人に多くあいました。
英語で真宗を伝えるのは、困難な点もありますが、それ以上に面白さを感じました。IBSで、浄土真宗、仏教を英語で学んできましたので、そのことをいかしたいと思います。阿弥陀さまの導きのもと、自然と進む道が決まっていったことを、とてもうれしく思っています。

3 自由テーマ
アメリカの小学校、中学校

子供たちをアメリカに連れてくるのは、本当に勇気がいることでした。日本からアメリカを見ると、銃の乱射事件やテロなど、おそろしい事件ばかりが目について、とても不安でした。しかし、こちらにくると印象はまったくちがったものとなりました。
全般に子供たちは、のびのびとしていて、先生方も楽しんでいるのがすばらしいのです。

最近小学校では、一泊のキャンプがありました。それは一つのカルチャーショックとなりました。キャンプ場では、テントを立てると、あとは自由に遊んでよいのです。寝たいときに寝たらよく、就寝時間もありません。 こまやかな時間区分もありません。点呼をなんどもされることもありません。山のなかの湖のほとりであるキャンプなので、少し不安にもなりましたが、無事に過ごせたようでした。

親たちも参加したい人は参加します。義務でしかたなく参加するのではなく、楽しんで参加しているのです。食事は大人がつくるのですが、先生が歌いながら、つまみぐいをしたりしながら、親たちとわきあいあいと作ります。みんなが残さずたべたか、などはあまり注目されません。
日本よりも、基本的に子供一人一人を信頼している感じがしました。管理しなければいけない、という感じは見受けられません。
日本での教育のほうがよい面もあるとは思います。しかし、圧倒的にストレスなくすごせるのは、アメリカだなあと思わされました。
最後に、子供たちの英語を学ぶ能力には、本当に驚かされました。
特に下の娘の上達は、すごかったです。聞いたままをすぐにつかっていくので、発音がよいのです。子供たちにとっても、すばらしい留学生活がおくれたことは、本当にすべての方のおかげです。ありがとうございました。