Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

ワルシャワ経済大学
2015年4月号 経済学部 A.T

①現地の学生、友人について

「PLAY HARD, STUDY HARD」

私がSGHで見た張り紙のキャッチコピーです。学校側が遊ぶことと学ぶことを同等に推奨するのは聞いたことがなかったので、なかなかパンチが効いているなと思いました。(SGHの張り紙だったかは不明ですが、学校に張り出されてるのが意外だと思った次第です。)

一般的に見て、ポーランド人の学生は勤勉だと言えます。朝8時から始まる講義にしっかり出席し、多い時には4~5コマの授業を1日にこなし、課題やレポートをきちんと済ませます。しかし、一方でウォッカやパーティが大好きな人たちなので、金曜や土曜の夜は至る所でパーティが開かれ、多くの人が飲み歩きます。日本ではよくお店に入って1杯目はビールで乾杯するのが通例ですが、ポーランドではウォッカショットから始まります。1杯目のウォッカを断ると、少し失礼というか付き合い悪いぞ、という印象を与えてしまうそうです。(もちろん無理強いはしませんが)

本気で遊んで本気で学んで忙しく過ごすポーランド人の学生のタフさには驚かされます。

ポーランドでは大学まで無償で通うことが可能です。学士3年、修士2年の計5年の課程を終えるのが一般的ですが、授業料が必要ないのでDubble DegreeやDubble Schoolで2つの専門を持っていたり、1つの学部を卒業したのち別の学部での学士をスタートさせたりと柔軟な学生生活を送っているように思えます。

ポーランドの人々を表現するときに”ココナッツのようだ”と言われることがあります。それは初対面の頃や関わりが浅いときは愛想が悪い・冷たいなどの印象を受けることが多いのに対して、距離が縮まり関係が深っていくとともに、とても暖かくホスピタリティ溢れる人たちだとわかるからです。ココナッツの実は外側が分厚く硬いのに、中心は柔らかく豊かであることからこのように揶揄されるようになったとのことです。私の友人たちも優しくとても良い交友関係を築けています。

 

②ポーランドにおける日本語教育-その3-

その3まで書くことになるとは思っていませんでした。再び日本語教育についてです。

4月の第4週の約1週間ほど、日本語学科のある大学や教育機関に通うポーランド人学生たちの合宿に参加してきました。2015年3月号でお伝えしたように、ポーランドには日本語学科のある大学がいくつか存在します。弁論大会やこういった合宿で交流を深めているそうで、今回の合宿には日本語を学習するポーランド人学生約200名、教師陣(ポーランド人・日本人)と日本人留学生合わせて約80名が参加していました。日本人留学生の中にはポーランド語を専攻する学生もいれば、ワルシャワ・クラクフ・ヴロツワフ・ポズナン・トルンなどに交換留学などで滞在している学生がおり一同に会する貴重な合宿だったと思います。SGHからこの合宿に参加したのは初めてではないかと思います。

クラクフとザコパネの間あたりに位置するホテルで行われたこの合宿では、教師陣による特別講義、日本人留学生によるワークショップ、ポーランド人学生による発表などいつもの学部での勉強とは違ったことが経験できるようになっていました。そろばん・着付け(浴衣着用体験)・落語・宝塚歌劇・アイドル文化・カフェ文化などなど日本人から見ても興味深いものが多く、講義やワークショップのサポートをしつつ自分でもとても楽しみました。

私は京都・神戸出身の日本人留学生とともに関西弁講座を担当し、大阪弁を布教してきました。日本語を改めて興味深いと思うのと同様に、関西弁の表現も普段何気なく使っているものの起源を調べてみるととても面白く、標準語話者ではなくて関西弁(大阪弁)話者で良かったなと実感させられました。標準語を学んでいる学生からすると関西弁の響きはとてもおもしろいようで、講義は大成功に終わりました。大盛り上がりだった講座の後、多くのポーランド人学生が声をかけてくれてワルシャワだけでなく各都市に新しい友人もできました。

合宿中、毎日11時から6時まで講義やワークショップがあり、夕食・オリエンテーションの後は自由時間なのですが、学生の大半が部屋で飲んでおり、騒ぎっぱなしの毎日でした。パーティ大好きポーランド人、ほとんど毎日5~6時まで飲んでいるのに朝9~10時にはケロッと元気に朝食を食べに来るのが信じられませんでした。

1~3年生、修士など様々なレベルの学生が集まっていたのですが、ほとんど全員と日本語のみでのコミュニケーションが可能だったことからポーランドの日本語学習の高さが伺えます。修士になると感覚や振る舞いまで、日本人に近くなっているように感じられる場面すらありました。日本語を楽しく学ぶことにより、日本人らしい価値観や言動にまで染まることができるのに驚くとともに、それほどまでのレベルに到達していることが何よりも嬉しく誇らしく思います。私は何もしていませんが。

私個人的な意見になるかもしれないのですが、ポーランドはとても日本人が住みやすい環境だと思います。それは食生活が適しているとか、先進国であるとかではなく、なんとなく雰囲気が似てると思うときがあるからです。残り2ヶ月ほどになった留学生活、悔いのないように過ごしたいし、絶対戻ってきたいと思っています。