Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

モスクワ大学
2011年6-7月号 文学部 M.T

夏休みのこと

モスクワ大学の夏休みは、7月8月の2ヵ月間です。6月末に授業が終わると、留学生を含めた多くの学生が帰省・帰国し、大学内がとても静かになります。これに伴い大学内の施設の営業時間も変更されます。スタローバヤは7月の間は営業していませんし、カフェの深夜営業もなくなります。マガジンの品物も少なくなるので、生活が少し不便になります。また、この時期には交換留学生向けの授業はありません。しかしながら、普段とは別の棟で行われている有料のサマースクールを受けることも可能なようです。もちろん受講手続きはすべてロシア語で行われます。

私はこの夏休みの利用し、サンクトペテルブルクに出かけました。ペテルブルクまでは夜行列車で7時間ほどで行くことができます。切符は駅で買うことができますが、列車の駅はバクザールと呼ばれ、メトロの駅とは異なります。販売員には英語は通じないと思っておいたほうが良いです。また、ロシア語は日付と時間の表現が複雑で難しいので、慣れていないと聞き取るのが難しいと思います。なのでロシア語のできる人に手伝ってもらうか、目的地・日付・出発時間を書いたメモを用意しておくと良いでしょう。手数料を気にしないのならば、旅行代理店に依頼するのが一番確実な方法です。

寝台列車はリュクス・クペー・プラツカールタの三段階に分かれており、それぞれ日本の一等寝台・二等寝台・開放寝台になります。リュクスは2人用個室、クペーは4人用個室になっており、クペーが一般的なようです。私は往路はクペーを、復路はプラツカールタを利用しました。安全面を考えるとリュクスが良いのかもしれませんが、人々との交流という面ではクペー・プラツカールタの方が圧倒的に優れています。

サンクトペテルブルクは文化の中心といわれるだけあって、モスクワとは街並みにも行きかう人々にも違った印象を受けました。私がペテルブルクを訪れたのは、8月末で白夜のシーズンは終わっていましたが、まだ観光シーズン中だったので、ロシア語以外の外国語を幾つか耳にしました。英語やEU圏の言語はもちろんなのですが、どの観光名所に行っても中国語を一番耳にした気がします。今回はエルミタージュをメインに観光したのですが、そこでも中国からの観光客が多かったです。いま思うとモスクワで見かける団体観光客も中国からが多いような気がします。ロシアと国境を接している中国の人々にとって、ロシアという国は身近なものなのかもしれません。今回の訪問で日本語を一切耳にしなかったということを考えると、日本人にとってロシアは旅行先としてはマイナーで、ソ連時代のイメージが抜けていない証拠なのかもしれません。

この旅行を除いては、2ヶ月あった夏休みのほとんどをロシア語でDVDを観たり、ロシア人の友人とピクニックに出かけたりと、机の上での勉強よりロシア語の口語に触れる機会を多くして過ごしました。この2ヵ月間をどのように過ごすかによって、勉強面における今後の伸びが大きく変わってくると思います。モスクワ以外のロシアの都市を旅行して回る、ヨーロッパの国を回る、ロシア人との交流を深める、一時帰国する、どこにも行かずにひたすら勉強する。過ごし方は人それぞれです。いずれにせよ、留学生活の半分が終わったということは心に留めておいたほうが良いと思います。