Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

リネウス大学
2010年10月号 法学部 A.F

授業紹介①

私が現在受講している授業は、Development Historyという大学院の授業です(この授業はPeace & Developmentというコースの中で開講されているものなのですが、学部生向けにもこのコースはあり、内容は双方で違いがあるかと思います)。

この授業は、そのほとんどがグループワークで進められています。一回目の授業時に課題が出され、その課題を1ヶ月でこなすというものです。グループは3人。自由にグループをつくります。課題内容は、世界のいずれかの国を選び、その国の開発過程について詳細を調べ、(1)約8000字(英単語)のレポートを3人で作成(2)その国の特有の問題についてグループプレゼンテーション(2)個人でその国の政策手法について経済開発の視点から再検討し、2500字から3000字のレポートを作成、というものです。数回の講義の後ほぼ完全にグループでの研究に切り替わり、数回の教授によるチューター(指導)が行われます。このクラス全体として、一国の開発過程に対して独立時から現在までを、Global level, Regional level, National level, Local levelの四視点から考察し、それぞれのlevelがどのように影響しあい、さらにその国の開発に影響しているのかということに注目し、広い視点で一国の開発過程を理解することが目指されています。

 

カルチャーショックについて

カルチャーショックは全くありませんでした・・・。ただ、こちらの人とくくってしまっていいのかはわかりませんが、遊びと勉強の切り替えのよさはびっくりさせられるものがあります。

この大学には大学構内に2つのナイトクラブのようなものがあり、週四回程度(確かほぼすべて平日)にあいているのですが、多くの学生がその夜は友達の家あるいはどこかの寮のフロアで100人程度の大人数でそのクラブに向かう前に飲み会(こちらではprepartyと呼びます)のようなものをし、その後クラブに向かいます。この夜は本当にみんなよく飲んで騒ぎます。しかし、例えば翌朝きっちり起きて朝から図書館で勉強をしていたり、授業はすごくまじめであったりする切り替えの良さは、本当に驚き感心する部分でした。平日でも、課題やテストがあっても一日中勉強するのではなく、昼は勉強して夜は思いっきり遊ぶといったようなリズムをしっかりもっている学生が圧倒的に多いです。

自分を含め多くの日本人学生のイメージは、勉強する人は本当に勉強にずっと時間を費やしていたり遊ぶ人はずっと遊んでいたり、テスト前は徹夜続きといったものが強いのではないかと思いますが、それを考えると見習うべき生活文化のようなものかもしれません。

 

リネウス大学の学生について

リネウス大学には、大学自身がその特色としても謳っているように、本当に多くのinternational studentやexchange studentがいます。

私は先の項目でも述べたように大学院の授業を受講しており、学生は25人程度いるのですが、スウェーデン人が比較的多く5人程度いる他はほぼ異なる国々からの学生で、スペイン・カナダ・ケニア・ウガンダ・タイ・中国・ドイツ・フランス等々といったように、本当に様々な国から来ていて、またスウェーデン人といっても移民であったりハーフであったりといったように、一つのクラスだけでもかなりの多文化というか、異なるバックグラウンドを持った人が集まっているので、行動や考え方そして意見ももちろん異なるのです。そこはリネウス大学の良さであると感じます。

また、もちろんスウェーデンは移民国家といわれるようにその約20%が移民なので、学校の外に出てもクラスとさほど変わりがない、どこにいっても様々な人に出会うことができる、そこがすごく面白いという風に感じます。日本では定住外国人はその人口の1%程度を占めるに過ぎないということを考えると、スウェーデンがどのようなものであるかが少しわかるかもしれません。一方で、スウェーデンは国としてその移民増加について問題も抱えており、議論があるので難しいところですが。