Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

キエフ大学
2012年10月号 文学部 Y.T

 ・この一年を振り返って(留学前と今を比較して変わったところ等)

私は今回のウクライナ留学に応募したときは既に四回生だった為、卒論等で留学前はとにかく忙しく、正直ろくにロシア語の勉強もしないままキエフに来てしまいました。今回の留学以前に海外渡航経験があった為、語学力以外では特に不安や緊張はなく、またキエフ大学の学生さんや日本人の先生方、そして他大学の日本人学生の方の温かい手助けのお蔭で、特に問題なくスムーズにキエフでの留学生活を始めることが出来たかと思います。キエフ到着後すぐに始まった授業では授業の内容自体は比較的ついていけるのですが、先生が黒板に書く字(ロシア語の筆記体)と話されているロシア語が全くと言っていいほど解らず、初心者用のクラスでも苦労したことが恥ずかしくて心底情けないなと感じたことを覚えています。 そしてこの一年間を振り返ってみて思うことは、「卒業を延期してでもキエフに留学して良かった」ということです。海外留学、しかもウクライナへ交換留学生として行くことが出来たのは完全なる偶然ではありましたが、非常に幸せでした。生まれて初めて経験した極寒と大量の雪、今ではすっかり慣れましたが地下鉄の臭い、公共の場所でも普通にイチャイチャするカップル達、あちこちで見かけた紙コップを持ってしゃがみこむ人達、大学寮周辺の公園?で色々なスポーツを嗜む多くの学生達、ウクライナ人の強い自国愛、日本ではまぁ見かけないような、非常にそっけない店員さんの態度、日本と比べ格安の食料品、の割に高価な衣服、老若男女、多くの人が供物を持って集まる午前中の日曜日の教会など、大小合わせてこの一年間で非常に多くの経験を得ることが出来たように思います。特に人間関係では大学でも私事でも朝礼暮改のようなことが多くあり、かなり柔軟力、忍耐力がついたと思います。そして、自分が思ったよりも社交的な人間ではないということにも気づかされました。海外に行くと日本にいた時と比べて明るく積極的な性格になるという方が多いと思うのですが、冷涼な地域に留学した為か、私は寧ろやや暗くなったように思います。

 

・帰国後どう留学経験を生かす予定なのか(帰国後の予定)

今回の留学経験を通じて、「生き方の多様性」のようなものも学ぶことが出来た気がします。留学する前、私は大学院等に進学する学生を除き私を含め大半の学生は卒業後すぐに就職するのが当然である、というような固定概念に囚われているような気がしました。来年卒業予定なので、留学で得た忍耐力、柔軟力そして語学力?等を発揮して、帰国後は主に就職活動に専念することになるかと思います。しかし、たとえ無事就職が決まり社会人となった後でも、チャンスや機会があればワーキングホリデーを活用したり、専門学校で学び直すというような選択地が考えられる、そんな長い人生の中で余裕を持てる人間でありたいと思います。 そして、帰国後は身近な人を中心にウクライナという国について知ってもらいたいです。もし交流会のようなものがあれば是非参加したいですし、ロシア語を使う機会も積極的に作っていければと考えています。あと、帰国後すぐににロシア文学を読み漁りたいと思っています。そしてウクライナだけでなく、周辺諸国(ロシア、ベラルーシ等)の交流会やイベントにも参加して、帰国後もどんどん視野を広げていきたいと思います。 

 

・ウクライナで最も愛される町、リヴィウに行く今月下旬に憧れだったリヴィウへ1人旅してきました。

リヴィウはウクライナの西部の町で、最もウクライナ色が強い地域とされています。長い歴史の中でウクライナは近隣国の影響を幾度も受け、特にロシアの統治下に置かれていた時期が長かったこともあり、現在でもほとんどのウクライナ人はロシア語とウクライナ語を話すことが出来て、ロシア語が優勢の地域も特に東部多くあります(ちなみに首都キエフは互角、若しくはややロシア語優勢かと思われます)。以前から「リヴィウではほとんどロシア語を聞くことがなく、住人もウクライナ語しか話さない」という話を何度が聞いたことがあり、その為基本的に日本人留学生はウクライナ人の友人と一緒に旅行するのですが、敢えて1人で行きました。 旅行に行って思ったことは、旅行客はロシア語を使用しても問題なく、住人の方もロシア語で答えてくれるということです。週末の為かアジア人は少ないですが観光客は多く、町も想像以上に観光地化されているようで少し驚きました、少なくともキエフ以上です。そして町は全体的に非常に美しく、ウクライナ料理も美味しく、又今の季節は空と紅葉が綺麗で素晴らしかったです。古い建物はどれも素敵で特に教会と劇場は外見も内装も見事で感動しました。ホテルも多く簡単に見つけられますし、夜行列車のチケットもかなり低価格なので留学なさる方は是非旅行してみてください!ウクライナ、リヴィウ、最高です!