Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2018年10月号 国際学部 S.K

環境について

ヨーエンスーはとても小さな町です。私自身も留学前に帰国レポートを読みましたが、大抵のレポートにそう報告されていました。違うことをお伝えするべきかとは思いますが、本当に何もない閑散としている町です。シティセンターにはショッピングセンターがありますが、10店舗ほどしか店舗が入っておらず、服を買うところもありません。1ヶ月経ちましたが、私は地元民が一体どこで服を調達しているのかまだ気になっています。

大学が大きいので、強いていうならばここは学生の街だと思います。大学は道路を挟んで大きな建物が10棟ほどあり、学部によって使うビルディングが異なります。カフェテリアも大体の建物内にあります。また、メインのビルディングには教室、図書館の他、カレリアホールという大きなホールがあります。今学期はそこでオリエンテーションがありましたが、月に2,3回地元のオーケストラによるコンサートがあります。それは大学生向けというより、年配の方が多いように感じますが、私はとても好きな音楽団体です。日本人のバイオリニストの方も一名、そこで演奏されています。会場はいつも満員に近く、音楽好きな人が多いです。

大学内のカフェテリアについて詳しく紹介します。少しシステムが複雑になっているように思います。慣れると簡単ですが、私も最初は戸惑いました。カフェテリアは平日10時半から18時ごろ、休日も時間は短いですが、営業しています。学生は学生証を提示すると1.50~1.90€で食事ができます。端数は切り捨てです。

メニューは毎日異なっており、ベジタリアンのミール、スープ、ノンベジタリアンのミール、スープで大体が構成されています。サラダ、パンは食べ放題です。メインとなるミールは、レジの横にずらりと並べられており、自分が好きな分だけをとるビュッフェスタイルになっていますが、毎回組み合わせを確認しないと、2食分のお金を支払わなければいけなくなります。(たまに見逃してくれる店員もいます。)例えばよくあるパターンでいうと、boiled potatoと何かの揚げ物。ベジタリアンスープ。リゾット。ミネストローネのようなラインナップです。この場合、ジャガイモとスープが欲しいとなると、二つは違うメニューなので、2食分払うことになります。しかし、1つのメニューを大盛とっても少しだけとっても、金額は同じなので、たくさん食べる人やお腹が空いているときは得をしたと思えます。味はたまにハズレがありますが、大抵が口に合います。特にパンはどれも美味しいです。やはりお昼は長蛇の列ができますが、とても回転が良く、いつでも空席がちらほらあります。

 

いくつか写真を載せておきます。

次は図書館についてです。龍谷大学の図書館と特に大きな違いはありませんが、ここの図書館は閉館がとても早いです。いつも18時には閉まります。UEFの生徒で、希望者には21時ごろまで開放しているということを聞いたことがありますし、18時以降に勉強している人を見たこともありますが、私の場合、勉強は家派なので、詳しい情報はわかりかねます。が、夜遅くまで勉強することも可能ではあると思います。

日本人留学生との距離感について

誰もが一度は悩むことだと思います。UEFには龍谷大学生四人を含め、10名ほどの日本人が留学しています。中では私のように留学を何度か経験している人もいます。学年は大半が3回生、2回生と4回生が同じくらいで、バチェラーの我々は2セメスターのプログラムで留学しています。勉強している分野はもちろんそれぞれですが、絶対に自分の学部のものを専攻しないといけないというルールはなく、違う学部の授業を登録することも勿論可能です。学部が同じ日本人とは大体の授業で会うことになるとは思います。

それほど日本人は多い方ではないと思いますが、勿論日本人とずっと一緒にいようと思えば出来る環境です。私自身、前回の語学留学の際は英語だけを学んでいたため、正直日本人といることが逆にストレスになっていました。もしこの交換留学で英語も身に付けたいと思うのであれば、日本人と一緒にいることはできるだけ避けるべきです。

しかし、今回は逆に私が見つけた日本人といるメリットについてシェアしたいと思います。日本人の中でも、タイプはそれぞれ違うことは言うまでもありませんが、もし英語が苦手なのだとすれば、日々の授業に日本人がいると一緒にフィードバックをしたり、わからないところの確認をしたり、いろいろな場面で心強いと思います。もちろん日本人以外の友達と同じことをできますが、日本人ならではの良さのようなものを私は少なくとも感じています。ここヨーロッパでは、アジアが少数派なため、アジア人ならではの悩み、またはカルチャーショックのようなものを感じる人が少なからずいると思います。私は感じたことは共有したいタイプなので、この感情を表現しやすいのはダントツで同じ価値観を持つ日本人だと思います。

語学留学をした際にも、私は英語を学びに来ているのに、日本人と一緒にいていいのか、と思う時期があり、実際友人と距離を置いて見たこともあります。私は今回英語というよりも、教育学にフォーカスしているので、さほどそのような感情は抱かなくなりましたが、頼れる日本人の友人を一人でも持つことは大変留学生活で(特に始まりは)心強いと思います。確かに仲のいい外国人の友人も日本人と同じくらい頼りになりますが、やはり文化の違いは超えられない部分があります。(もちろん、全員がそうというわけではありません)

また、UEFにはlanguage caféという数名がボランティアで母国語を希望者に教えるという場があります。私はオーガナイザーの一人としてその授業を仕切っていますが、この機会にも日本人で協力することが必要になってきます。みんなで協力するからこそ、いい授業が作れることは確かです。

長々と日本人について述べていますが、実際は自分の感覚や目標次第で捉え方は変わってきます。でも一つ言えることは、毎日笑顔で積極的に人と接し、人種関係なく様々な人と話をする機会を得ることが最も重要だと思います。毎日元気よく過ごしていると、たとえ英語が壊滅的であっても自然と人は寄ってきてくれます。留学先の新しい環境では毎日のように新しい人に出会います。自分の情報がゼロの環境から構築されていく、新しい自分を知ることができるいい機会でもあります。勉強だけではなく、たくさんの友人に囲まれて充実した週末やホリデーを過ごすことは、留学生活で大切なことの一つだと思います。