Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2015年12月号 経済学部 D.K

―治安、危険を感じたこと、トラブルについて―

フィンランドは安全で、大変治安の良い国です。フィンランドを取り扱った、ほとんどの旅行ガイドブックにはこの様に記されているでしょう。私も、実際にフィンランドへ渡航する前に日本で、複数のガイドブック、サイトを見ましたが、治安について注意を促す様な記述を見たことはありません。そして、これは私が知る限りでは事実です。フィンランドで生活を始めて、約4か月が経ちましたが、今まで一度もトラブルに巻き込まれた事はなく、周りの友人からもその様な話を聞いたことはありません。上手く表現できないですが、フィンランドの人々は、たとえ面識もない赤の他人でもお互いをどこか信頼していて、決して危害は加えない、と思い合っている様な気がします。少し誇張し過ぎかもしれませんが、どこかお互いに暗黙の了解の様なものがある様に感じます。先月、夜7時頃、友人の家へ行くため自転車をこいでいたのですが、その途中、辺りはもう真っ暗なのに家の前の公園で、まだ小学生低学年位であろう年齢の兄弟が2人だけで遊んでいるのを見かけました。さすがにその光景には驚かされ、いくら治安の良いフィンランドといっても、やはりどこかその2人が心配になってしまいました。確かにフィンランドは大変安全な国です。しかし、だからといって、自分の身の安全に関して注意を怠ってよいという訳ではないと思います。フィンランドにも物騒な事件はあります。そして、夜になれば酔っぱらいが現れます。危害を加えられる事はありませんでしたが、私も複数回、酔っぱらいに声をかけられ、絡まれました。ここは日本ではなくフィンランド、外国です。他国で生活する以上は決して身の安全を怠ってはいけないと思います。

―税金について―

フィンランドは高福祉高負担国家と言われており、税率が非常に高いです。最近は様々なニュースによって、報道される機会は減りましたが、日本も近年、消費税率引き上げの問題が社会を賑せています。しかし、消費税率が10%を超えない日本で生まれ育った私の感覚からして、もちろん食品などは比較的低税率ですが、一般消費税率が20%を超えるフィンランドでモノを買い、生活する事に関して、高税率国家とは分かっていても、最初はどこか違和感を感じました。正直、今でもレシートに表示されている消費税率を見るたびに、「よくもフィンランド人はこんな高い税金を払っているな。本当にそれなりの恩恵を受けて、納得しているのだろうか。でもそうなんだろうな。」といつも自問自答してしまいます。そして、少しおかしな考えかもしれませんが、私はフィンランドへ渡航する前は、フィンランドへ留学する学生はそれ程国から恩恵を受けないのに、フィンランド国民と同じ税率を負担しなければならないのだから損だ、と思っていました。しかし、実際にフィンランドで生活を始めて、この考えが間違っている事に気付きました。もちろん、長い目で見れば、フィンランド国民と同じような恩恵を受ける事はできませんが、留学生も十分な恩恵を受けることができます。例えば、公共交通機関を一般料金の半額で利用できたり、大学の食堂ではたった約300円で栄養ある食事をたらふく食べる事ができます。そして更に、実際に利用した事はないのですが、Student Unionに加入さえしていれば、無料もしくは少しの医療費を負担するだけで、Finnish Student Health Service (FSHS) が提供する医療サービスを受ける事ができます。また、街では1杯130円のコーヒーが100円になる程の些細な割引かもしれませんが、多くのお店で学生割引きを受ける事ができます。この様に考えると、フィンランド人がこんなにも高い税金を納得して負担する訳が少しは理解できる様な気がします。