Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2011年9月号 文学部 N.N

◎オリエンテーションについて

9月1日から約4日間、オリエンテーションが行われました。内容は、大学で履修できる授業のことや単位についての話、東フィンランド大学があるガレリア地方についての紹介、これから大学近辺で行われるフィルムフェスティバル等のイベント紹介でした。こちらの大学では、1つ1つの授業のスケジュールが独立していて、単位や授業計画の自己管理がとても重要になってくると感じました。パソコンで行う履修も龍谷大学のポータルの様に間違っていたらエラーがでる、という事はないので全て自分で管理する制度に驚きました。実際私は、この大学内で使うパスワードを作った際に条件とは違うパスワードを作ってしまっていて、ログインできない状態が続きました。オリエンテーションで言われた、自分で全て管理して下さいという言葉の意味がとてもよくわかった瞬間でした。また、オリエンテーション初めでは教室の外にコーヒーがあり、コーヒーブレイクが用意され、またサッカーの無料観戦チケットが配布されるなど、日本とは少し違う空気を感じました。オリエンテーションと言っても全く堅苦しい感じではなく、途中でガレリア地方に関するクイズがあったり、担当の方もそれぞれ個性的なプレゼンテーションを用意していて、楽しい空気の中でのオリエンテーションでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

◎環境について

1ヶ月が経ち、北欧の寒さは増していますが、大学の校舎内で寒いと感じた事はないです。そのくらい暖房設備は完璧で、どこの校舎のエントランスも二重扉が設置されています。それぞれの校舎に入って1階には、ワードローブがあり、各自コートや帽子手袋をそこにかけて教室に向かいます。手袋や帽子を放置しても盗られた経験、盗っている人を見た事もないので、この学校の平和さや落ち着きがよく現れているなあと感じています。また、内装もシンプルでお洒落な教室やロビーが多く、お洒落 暖房完備 平和 と、さすが北欧!と感心してしまいます。

ヨエンスーはフィンランド内でも、特に都会という訳でもないので、町中に自然があふれています。学校の通学途中に前をリスが横切ったり、家の庭にハリネズミがお昼寝しているのは日常の景色です。大学やショッピングモールのある中心街からはずれると、それぞれの大きな道路以外に、各地区必ずサイクリングロードがあります。来てまだ1ヶ月の私には、ただの森の中の獣道にしか見えないのですが、フィンランド人はこのサイクリングロードが大好きです。遠回りをしてでも、車の通らないこの小道を使います。私も帰り道に自分の好きなサイクリングロードを開拓したりして、一緒に自然を楽しんでいます。このサイクリングロードを、スキーのストックを持ってウォーキングしている人や、ランニングしている人が溢れています。それくらい、ヨエンスーという街は自然と人の距離の近い街だと思います。

寮から学校へのサイクリングロード

◎ホームステイについて

今年の東フィンランド大学は、留学生に寮の数が足りず、私たち龍谷大学の生徒も到着しても寮のない状態で日本を出発するという前代未聞の事態が起きていました。しかし、寮の無い数ヶ月を逆に楽しみたいと思い、私はフィンランド人の家庭にホームステイさせてもらう事になりました。ファミリーとの会話はほとんどフィンランド語なので、苦労したこともありましたが、英語を話せないからこそ、お互いに伝わるまで話す、理解できるまで聞くので、普通以上の絆ができたなあと感じています。そして今回はフィンランドの家庭の食事事情について紹介したいと思います。

フィンランドはミルクの消費量が世界でもトップクラスな事で有名な国です。なので、食事に必ず乳製品がでてきます。そして食事中はみんなお水やお茶ではなく、必ず牛乳を飲みます。この牛乳にも脂肪分の比率別に3段階のレベルがあり、チーズにももちろんたくさんの種類があります。他には、Rahkaとゆうチーズとヨーグルトの間の物や、Piimaという牛乳とヨーグルトの間の物など、簡単に説明できない乳製品が溢れています。ファミリーのお母さんに、料理を教わっている時には必ず乳製品がでてきます。その度にこれは何?と一緒に英語の辞書で調べるのですが、彼らにとってちょうど良い言葉はいつも見当たらないようで、今はもうフィンランド語で食材全てを覚えています。それくらい、たくさんの種類の乳製品が存在しています。ヨエンスーはロシアの国境とも接しているので、ロシア料理に似たものもよく見かけます。また、フィンランドでは、Pullaと呼ばれる、コーヒーと一緒に食べる甘いパンもよく食べられます。映画のかもめ食堂にでてくるシナモンロールもPullaの一つです。

このガレリア地方は本来、寒さをしのぐ為、高タンパク高カロリーなものを食べていたそうです。しかし国の健康意識向上改革で食生活もここ数十年でがらりと変わったようです。最近ではアイスクリームやスナック菓子の税金が高くなってきていてるようです。食事が終わると、家族みんなで森や湖に散歩へ行く習慣もあり、健康を意識した、本当に自然と近い生活を送っています。寮が無いと言うアクシデントはありましたが、そのアクシデントを楽しむくらいの気楽な気持ちの持ち方を知ったこと、これからも一生交流の続くであろう素敵な家族に出逢えた事に感謝しています。

家族で森に散歩へ行った時の写真                  シナモンロール(Pulla)