Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2011年11月号 文学部 D.T

試験のこと―

今学期の私の授業では、試験に2つのタイプがありました。ひとつはレポート形式、もうひとつはプレゼン形式です。今回は2つの授業を取り上げて、UEFでの試験について説明したいと思います。(今期は筆記試験がなかったのですが、UEFでは筆記試験に一度落ちた場合でも、その後何度でも受け直すことができます。)

○Comparative Perspectives of Preschool Education

この授業は、フィンランドと自分の出身国のPreschool教育について考えるものです。授業が始まった当初、将来Preschoolの教員になることを考えたこともない自分にとって、この授業が果たして有意義なものになるのかという疑問もありましたが、授業が進んでいく中でPreschoolの制度や歴史に触れるつれ、「フィンランドの教育に対する考え方」を知る上では、どの段階を学んでも考えさせられることが多く、むしろ今まで学習していた中・高等学校の知識に肉付けされることがあり、結果的にとても受講してみてよかったと思える授業となりました。その集大成として授業最終日に行われたのが、プレゼンテーションです。これは、異なる3カ国出身の留学生がグループになり、それぞれに与えられたテーマに沿って比較、考察、結論をするというものでした。私のグループは、スペイン、日本、フィンランドの3国で比較し、テーマは「各国の教師教育」についてでした。この授業を終えてみて思ったことは、試験の形式としてプレゼンが一番有意義だなということでした。というのも、同じ目標のある留学生同士が意見をたくさん交換し、発表、討論できるからです。もちろん、筆記やレポート形式も十分に学びになると思いますが、違う意見を持っている人たちとの情報交換は他の2つにはなく、また新たな学びにつながるのではないかと思います。

○Finnish Educational Systems and Organization

この授業は、フィンランドの教育制度や枠組みを学ぶという内容でした。しかし授業が始まってみると、3回という少ない授業日数にも関わらず、質問が常に飛び交う、毎回が討論会のような授業でした。このように有意義な授業だったからか、終わってみると自分のノートがヨーロッパ各国の教育事情で埋まっているという状態でした。自分自身、フィンランドの教育制度に特に関心があったので、現場で現役で活躍されている先生方から生の情報や制度を聞けたということはもちろん、同じように教師を目指す各国からの留学生の熱い姿勢や考え方を垣間見れたのも、大きな収穫だったように思います。この授業は、「フィンランドと自国の教育制度の比較」についてのレポートを、5-6枚書いて提出することで単位が認定されます。

治安、危険を感じたこと、トラブル等について―

こちらに来て、治安が悪いと思ったことや危険を感じたことは今のところ一度もありません。日本にいた頃のイメージ通り、人は皆穏やかで、ゆったりとした時間が過ぎているように思います。強いて言うならば、金曜や週末の夜の街には酔っ払いがちらほら見られます。口喧嘩をしている人、まっすぐ歩けていない人、大声を張り上げている人などです。ただ、最低限の注意と身の安全を気にしていれば、特に大事に発展することもないと思います。

別のトラブルとして、雪によるものがあると思います。この時期のフィンランドは、気温も下がって雪も本格的に降り始めています。例年に比べると、かなり暖冬で、雪の量も少ないそうですが、日本人からするとマイナスの気温は慣れないものです。また、道に積もる雪が雨などで溶けた次の日の朝は、自転車通学をしている私たちにとってはとても危険です。また、住む場所にもよりますが、大学までの道のりに急な坂が多いのがJoensuuの特徴で、そこも注意すべき所だと思います。もちろん、バスも1時間に2本程度運行されているので、自転車との使い分けがこれから訪れる厳しい冬を乗り越える手段の一つかなと思っています。(写真は雪が積もり始めた自宅裏の景色)

自由テーマ―

フィンランドでは、「クリスマス」はとても大きな行事です。それを感じたのは、こちらの人がクリスマスの1か月前からお祝いのパーティを始めると聞いた時からです。私自身、いくつかのプレ・クリスマスパーティに参加していますが、この国伝統のクリスマス料理、お菓子、飲み物、歌など、毎回新鮮でとても楽しめています。これは、「クリスマスは家族で過ごすもの」という考え方が根底にあるように思います。前回のレポートにも少し書きましたが、クリスマスが近づくと、街から人が消え、そして、店もほとんど営業しなくなります。日本でいうお正月のような感覚で、実家を離れている人は故郷に戻り、当日は家族でクリスマス料理を食べながら話をしたり、歌を歌ったりするそうです。(写真左:Christmas & Farewell Party 右:ある授業の先生のお宅で行ったクリスマスパーティ)