Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

東フィンランド大学
2011年10月号 文学部 N.N

<受講している科目について>

私のこちらの大学での専攻は、modern languageです。この大学ではマイナー科目として言語を勉強する学生が多いので、言語習得のカリキュラム、システムはかなり発達していると思います。今回は、言語系の授業で履修している、”Written English” “Oral communication” “Pronounciation” について紹介します。

◎ “Written” このライティングの授業では、アカデミックな文章を書く練習を行っています。しかし、ただEssayを提出するだけではありません。Essayを書くプロセスを1から最後まで採点してくれるシステムで、1つのエッセの〆切まで4週間かけ、ブレインストーミング、アウトライン、ドラフトの過程全てを担当の先生がチェックしてくれます。今までのテーマは、「盗用」「汚染」「健康」の3つです。それぞれの大まかなタイトルに毎回、「アカデミックな視点で書く」、「身近な事例から大きく書いてゆく」、「学生間に起こりうる問題を取り上げる」、等先生から注文がだされます。日本語でもなかなか難しいテーマで、毎週苦しんでいる授業の1つです。毎回の授業内で、essayを書く方法について先生が細かく教えてくれます。アドバイスや、よく陥る失敗例などです。数分間話した後に、2〜3人でその事について話し合う時間が与えられます。他の学生と話すことで、テーマについて色んな視点を持つ事ができるので、私はこの時間がとても好きです。

◎ “Oral”  この授業では、毎週1人10分程度のプレゼンテーションを発表します。これを1ヶ月半行ったあと、ディベート、そして1人20分のロングプレゼンテーションの期間に入ります。今はちょうどミニプレゼンテーションが終わった所です。この授業を通して、プレゼンテーションを行うにはそのトピックに対してどれだけの興味を持っているかという事が大切だと感じました。用意をできるだけたくさんすればする程、発表する事を楽しみに思える様になってきました。そして、次のロングプレゼンテーションでは緊張で噛んでしまうような事はないように、もっともっと発音やイントネーションの練習をしていきたいです。

◎ “Pronounciation” 私は、この授業が最も、フィンランドらしい教育方法が現れている授業だと思います。リスニングの授業は、テキストに沿って各自が練習問題をパソコンで解いていくものです。1時間程度練習するのですが、もし何か発音に問題があれば即座に先生からメッセージやボイスが飛ばされます。そして私の発音に対するアドバイスをその場で与えてくれます。先生が全ての生徒の発音を把握していて、それぞれの問題に合わせてアドバイスをくれるシステムです。私は、このそれぞれのレベルに合わせた教育方法、その生徒のできる範囲のことから確実に習得させる点が、あぁフィンランドらしいなあ〜と感心しています。

 

これらの3つの授業全てを、アメリカやイギリス出身の先生が担当しています。なので、フィンランドなまりになるような心配もありません。私はこの学校の言語習得に対する設備やシステムにとても満足しています。フィンランドは教育大国、という漠然としたイメージでしたが、授業を受ける度にこの国がそう呼ばれる理由を感じます。英語を第2言語としているフィンランドに留学へ行くことに少し不安を感じていたのですが、むしろ私は「英語を学ぶ」のに最高の環境であると思います。
そして、この3つの授業を受ける度、自分の中身の弱さ、政治的宗教的な知識の無さに、何度も消えたくなりました。英語力と共に、もっと世界の様々なことについて関心をもって、批判的な視点で物事を見れるようになりたいと思っています。

 

<カルチャーショックについて>

フィンランドに来てから、大きなカルチャーショックを受けたことはありません。人が穏やかであること、ヨエンスーの街の治安が良い点がそう思わせているのかもしれません。むしろ私は、フィンランド人と居ると日本人と居るような安心感を感じます。ただ、食生活で言うと、お米にブルーベリージャムをかける、じゃがいもにリンゴンベリージャムをかけて食べる、このベリーの食べ方に関しては、最後まで理解できないと思います。また、サウナを尋常じゃなく愛している点も、おもしろいと思いますが、カルチャーショックという程の事ではありません。

<旅行について>

10月に、こちらでできた中国人の友達と旅行へ行きました。3カ国を巡ったのですが、やはり日本人の友達と行く旅行とは違っていたので、私にとって大きな経験になりました。疲れた時や、地図の読み間違い、少しのニュアンスを伝える事ができず、歯がゆい思いを何度もしました。同じアジア人、英語を第2言語として学んでいる彼女の英語力と私との差に、ひどくショックを受けた日もありました。しかし、一度も喧嘩になることもありませんでした。それは彼女の人柄の良さに助けられたと思っています。疲れ果てた後に一緒に食べるご飯が美味く、一緒に見た景色が美しく、様々な感動を共有する事ができて、本当に楽しい1週間でした。

また、彼女が中国人であることもあって、全ての都市でチャイニーズホステルに泊まることになったのですが、出発前に反日感情を持った人が居たらどうしよう、等少し不安がありました。しかし、日本人の私に皆やさしく、興味を持って接してくれたので、とても居心地が良かったです。ヨーロッパ旅行に来たはずが、中国に行った様な、貴重な経験をすることができました。

そして、この旅行を通して彼女との友情も深くなった様に感じます。お互いを尊敬できて励まし合える様な友達を持てたことにすごく幸せに思います。国籍や母国語は違えども、同世代の女の子は考える事も同じで、夜遅くまでダイエットの話をしたり、お互いの国で一番かっこいい俳優を見せ合ったり、将来の夢について話し合ったり、どこの国でも女子大生は、女子大生なんやなあ〜と感じました。国籍を越えて本物の友情を持てるということに、英語を学ぶ利点はとてつもなくたくさんある、と感動しました。これからももっともっと勉強して、たくさんの世界を見たいと思います。

ベニスのチャイニーズホステルでお世話になったおじさん。