Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2018年6月号 文学部 S.U

カルチャーショックについて

私はドイツに来る前から留学経験のある先輩や先生方にドイツの話を聞いていたので、それ程強いカルチャーショックは受けませんでした。例えば日曜日は多くのお店が閉まること、電車やバスは遅れるのが当たり前なことです。しかし、際に暮らしてみると改めて、日本との違いに驚かれることが多々あります。

まず外国人局や銀行での手続きの際、担当者の対応があまりにもいい加減で驚きました。「ドイツ人は真面目」という印象を持つ人も多いと思いますが、たとえ書類を完璧に揃えていても、担当者によって全てが決まるということを肌身で感じました。他の留学生にも聞いたところ、提出を求められた書類がそれぞれ違っていたり、いざ指定された書類を持参しても違う書類を改めて要求されたりと、トラブルが起こることは多いです。知り合いのドイツ人曰く、「どんなに書類を完璧に揃えていても、上手くいくかは良い担当者に当たるかどうか、つまりは運次第」とのことでした。私も銀行口座開設の際、何度も確認したにもかかわらず、後から全く異なる条件を提示されました。そのため、重要な手続きの際には入念な準備と確認をしますが、必ずしも上手くはいかないと覚悟をするようになりました。

また、環境先進国のドイツには「Pfand」というシステムがあります。これは多くの缶、瓶、ペットボトル商品に入れ物の代金があらかじめ含まれており、空いたボトルをスーパーに設置されている機械に返却するとその代金が返却されるというものです。だいたいひとつ25Centで、機械から出てきた伝票をレジで提示すると返金してくれます。

個人的に、野良猫が全くいないことにはとても驚きました。たまに道端で猫を見かけることもありますが、飼い猫であることがほとんどです。ドイツ人は本当にペットを大切にしている印象を受ける一方で、日本も見習うべき部分であると強く感じました。


 

 

ビザについて

 

6月に入り、ようやくビザを取得することが出来ました。一度4月に予約をとり外国人局に行きましたが、経費負担証明が不十分であるとビザを取得することが出来ませんでした。日本人の場合、ビザ無しにドイツに居られる期間が最高で3か月なので、ぎりぎりの取得となりとても焦りました。

まず、経費負担証明のために、これまで有効とされていた在日ドイツ大使館の発行する「経費負担証明書」が廃止となったことで、それまでの先輩方の経験を参考に出来なかったことが苦労した理由の一つです。

私の場合、ビザ発行には

・パスポート

・顔写真(パスポートサイズ)

・正式な入学許可書(Studienbescheinigung)

・住民登録証明書(Meldebestätigung)

・ドイツで有用な健康保険

・1年間の経済負担証明

・発行手数料(49€)

以上の書類等が必要でした。

私は少しでも手間を省くために、顔写真を日本で撮っていきました。ドイツで取得した人の写真を見せてもらうと、画質が悪くあまり良く撮れていなかったので、あらかじめ日本で取得するのが良いと思います。

住民登録証明書(Meldebestätigung)や入学許可書(Studienbescheinigung)はドイツ国内で取得出来ます。私はこの入学許可書を、事前にもらっていた「Zulassungsbescheid」と勘違いしていましたが、バディーが指摘してくれたので正しく提出することが出来ました。

健康保険については、全ての交換留学生は龍谷大学指定の保険に事前に入るため、ドイツ語翻訳してもらった証明書を日本から持参しました。その証明書をドイツの健康保険会社「AOK」で見せ、改めて留学期間内の保険証明書を発行してもらいました。「AOK」は大学の近くにあり、予約も要らずにすぐ発行できました。他の留学生によっては、既存の保険では不十分であると新たにドイツの健康保険に加入する人もいました。

そして、一番苦労した経済負担証明ですが、私はドイツ大使館のホームページを参考に、両親と自分名義の日本の銀行口座の残高証明書(ユーロ建て)を発行していました。しかし外国人局で担当者に渡すと、何度か確認してもらいましたが、証明として有効ではないと言われてしまいました。そのため、ドイツの銀行Sparkasseで普通口座とは別に、毎月の引き出し金額に制限のある「閉鎖口座(blocked account/Sperr Kont)」を開設する必要がありました。口座開設後、閉鎖口座に1年間の生活費に相当する8640,00€を両親から送金してもらい、銀行で証明書を発行してもらいました。ひと月に720,00€が閉鎖口座から普通口座に自動的に移されます。ただし、奨学金をもらっている人は証明金額が変わってくるので注意が必要です。また奨学金の証明書を忘れるとトラブルになるようです。この証明書で、ようやくビザを発行してもらえました。

最後にビザの発行手数料を請求されます。現金とカードどちらでも大丈夫でしたが、カードの方が良いと言われたので私はカードで支払いました。

以上、ビザを取るまでは不安でいっぱいでしたが、バディーや他の学生が手伝ってもらいなんとか取得出来ました。仮に3か月以内に取得出来なくても「仮ビザ」を発行出来るため、すぐにドイツから追い出されるということはないようです。

一連の経験から、必要だと思う書類は全て持参し、バディーなどに確認を取ることが重要だと感じました。