Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2018年11月号 文学部 K.E

授業紹介

私の受けている授業は2つ。教育学関係の授業とドイツ語の語学授業。

前者は、大学ではなく大学付近にある映画館のシアタールームを使って講義をしている。受講生数は約200人ほど。基本はパワーポイントを使って説明をしている。後者は、大学にある教室にて授業が行われる。受講生は約20人強。雰囲気は日本と大して変わらない。日本との相違点は、パワーポイントの多さ(一回の授業で145ページもあった回もある)と、使用言語(もちろんドイツ語)ぐらい。

日日交流会

前回のレポートでもふれたが、私は現在、デュッセルドルフにある日本人補習校にて研修生として生徒の漢字学習のサポートや、講師の方のアシスタントをしている。

私は研修生としてサポートをしながら、11月24日に授業の時間をいただいて、日本人交換留学生と補習校生の日日交流会を企画した。補習校に通う生徒の多くが日本の大学に進学するか、ドイツの大学に進学するかで悩んでいたからである。研修生として自分に何ができるか考え、行動してみた結果だ。目的は補習校生への、日本の大学に関する情報提供(奨学金問題から学生生活まで多岐にわたった)であり、主役はもちろん彼ら。私が集めた学生の出身大学は関東地方から九州地方までできる限り様々な人間を集めた。

交流会では、主に補習校生が学生に質問し学生が答え、相互にコミュニケーションをとるといった典型的なパターン。事前に生徒に質問内容を考えもらい、それを学生にも周知したため、円滑に交流会は進んだ。

何が面白かったかというと、生徒の質問内容である。日本の学生生活としてアルバイトやサークル、部活のことが質問内容に出るだろうとは予想できた。だが、人生の目的とは何か、人生で何をやっておけばよかったか、グローバル化についてどのように考えているか、日本の政治経済についてどのような考えを持っているか、帰国子女は日本の大学に授業についていけるのか等々、私の予想を超える質問内容が出てきており、交流会当日、大学生側も質問に答えることに必死そうであった。15歳から18歳の生徒からこのような質問が出てきたということは、そのようなことに関心があるということを示している。

2015年から移民の方が一気にドイツに移ってきたことから、グローバル化やそれらに関する政治にも興味がわいたのかもしれない。ドイツで生まれたが、自分は日本人という、自身のアイデンティティについてまだわからない生徒も中はいると私には思う。だからこそ、自分自身について考え、自分自身の人生について考えるに至ったのかもしれない。私にはすべて理解できないが、そのように感じた。彼らの興味関心は深くて広く、そして濃い。学生である私たちをとうに超えている。ドイツで育った彼らと日本で育った我々の間にある差。その差は環境にあるのか、考え方にあるのか、危機感という意識にあるのか、いったい何が原因なのか、教育内容にあるのか。企画者である私は、自分を含め、日本人の在り方に少し危機感を抱いてしまった。

留学前、ドイツで知り合う人間は、ドイツ人と日本人留学生だと考えていた。しかし気づいてみれば、ドイツの学校に通いながら休日に日本語を勉強する人間に知り合った。ドイツに限らず海外には、本当にいろんな人間が住んでおり、意外にも日本人でもある。日日交流会を含め、これは私の実体験であるが、海外にいると様々な生き方や考え方に出逢える。自分のアンテナ次第でそれを受信できる。その重要性を改めて考えさせられた。

もし留学したいと考えている人間がいるのであれば、留学のメリットとして上記の点を私は挙げたい。

人生は変わらないが、人生観が変わるのだ。