Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2014年1-2月号 文学部 M.M

“Zigeuner“

Zigeunerとは(umher-)Ziehende(移動する)+Gauner(悪党、不良)という二つの単語からできている言葉で、ヨーロッパで移動生活をしている民族を指し、日本ではジブシーやロマと呼ばれています。しかし、Zigeunerという名称に対して、彼らはこの表現は差別にあたるためSinti and Romaに変えるようにと主張しています。彼らの多くはブルガリア、ルーマニアなどの東ヨーロッパからドイツにやってきて特定の住所を持たずに生活しています。そのために、職を得ることも難しく彼らの中には生活のために日常的に犯罪を犯しているのが現状です。また、右翼のドイツ人によるZigeunerへの暴行事件も問題になっています。しかし、Zigeunerは警察に被害届を出すことや病院を積極的に利用することができないため、事件が表にでることがあまりないので、実際の被害がどれほどあるのか詳細を把握することは難しいそうです。しかし、Decade of Inclusion(ロマ一体性の10年)というジプシーに対する教育、住居、雇用、医療の改善を目的として2005年から2015年にかけてヨーロッパ8か国によるプロジェクトも行われています。

私の住んでいるエッセンでは彼らを見かけることはあまりありませんが、大きな町に行くと多くのZigeunerがいます。私がドイツの首都ベルリンに観光に行ったときにも彼らの被害に遭いました。ベルリン大聖堂に向かう途中で紙とボールペンを持った一人の女性に署名を求められました。早口でアクセントも強かったため、何を言っているのかよく分からなかったけれど、始めは何かのボランティア活動のように見えました。急いでいたので立ち止まらずに歩きながら時間がないので署名はできないと彼女に言っていると、気づいたときには彼女の仲間のような人たち4、5人が既に私と友達を囲んでいて、何度も何度も署名をするようにと英語とドイツ語でしつこくとても強く迫ってきました。あまりにも、彼らの様子が異様だったのでこれはただ単に署名を求めてるんじゃないなと思ったときには、グループの一人の男が私のコートのポケットに手を入れて物を盗ろうとしており、友達のリュックは勝手に開けられて既にハンカチを取られていました。幸い、私たちがすぐに気づいたため大声を出すことができ、彼らは逃げていきハンカチも取り返すことができました。後でドイツ人の友達にこの出来事を話したら、彼らは署名を求めているふりをして、もし署名するために私たちが立ち止まってしまったら両手が紙と鉛筆に使われてしまうため、自分の荷物に意識が行かなくなるので、そこを狙ってスリをするという典型的な手口の一つなのだそうです。他にも、ベルリンに滞在していた時には地下鉄で電車を待っている時に少し気づくのが遅かったらスリの被害にあっていたということが何度がありました。ベルリンの治安はよくないということは念頭に置いて行動していたつもりだったので、自分の危機管理意識をもっと高く持ちトラブルに巻き込まれないようにしなければならないなと思いました。

Sinti and Rimaの歴史は長くとても難しい問題です。日本にいるときに少しでもSinti and Romaの知識を持ってドイツに来ることができたらよかったなと思いました。

 

現地の学生、友人について

ドイツの大学で驚いたことは、生徒の年齢がとても高いということです。日本では学部や学科によって差はあると思いますが、一般的には19歳で入学し22歳に卒業すると思います。そして、これも個人差があると思いますが、基本的に学生は4年で卒業するのを理想として、それを目標にしていると思います。しかし、ドイツの大学生は個々人がそれぞれの歩幅で自分の人生設計をしているために年齢にばらつきがでています。ドイツでは義務教育期間であっても生徒の学力が基準に達していないと生徒本人が判断し、次の学年に上がらずにもう一度同じ学年をリピートすることができたりと、幼少期から個人の権利や自由、自主性を重んじる教育システムがあり、そういうことが要因でもあるのかと思います。

また、ドイツに大学は2008年まではDiplomというシステムを採用しており、これは4年間大学に通う必要があります。しかし、1999年からBologna-Prozessというシステムを採用し Bachelorでは3年間 Masterでは2年間、大学に通う必要があります。2010年までにはBologna-Prozessをドイツの全ての大学が採用することになっています。2009年にはBechelorの平均卒業年齢は25.5歳、Masterは28.2歳でした。(“Zeit“ – „Studium Bologna Reform Bilanz“ 3th Nov. 2013) そして、Masterまで取ったほうが就職にも有利なため多くの学生がBechelorからMasterに進み、結果的にドイツの多くの学生が5年またはそれ以上大学に通うことになります。

 

帰国準備について

まず、退寮はHausmeisterに連絡をとって、部屋が汚れていないか壊れていないかチェックしてもらいます。もし、問題がない場合はHausmeisterに鍵を返して終わりますが、十分に綺麗でないと判断された場合にはお金を払うか、自分で掃除をし直して再度Hausmeisterに確認してもらいます。私の場合はMeistersingerでは5Euro、Auf der Unionでは30Euroでした。私は引っ越しをしたので退寮を2回経験しましたが、Auf der Unionのほうが掃除を十分に行ったのに30Euroも支払わなけらばならなくて、時間がなくて掃除が適当だったにもかかわらずMeistersingerでは5Euroだったので金額はHausmeisterによって大きく差があると思います。

次に銀行の口座ですが、口座はドイツで急いで閉めなくても日本からでも閉めることができます。自分が口座を作った店舗に、口座を閉めたいという旨の手紙を書けばいいそうです。その際に自分のサインとドイツの口座のお金を移すための日本の口座を書かなければなりません。ドイツの口座のお金を無理に全部おろす必要もないので、私はこの方法で口座を閉めたいと思います。

次に、AOKです。私はドイツの保険AOKに加入していたので解約する必要がありました。Exmatrikulation(大学のオフィスでもらえます)を提出するか飛行機のチケットとEinwohnermeldeamt(Ausländerbehördeでもらえます)を提出します。また、Ausländerbehördeにはドイツにはもう滞在しないという内容のメールを送る必要があります。

その他にも帰国準備には細かいことが色々とありますが、私の場合は帰国1か月前くらいから始めました。少し慌ただしくなってしまい、余韻に浸ることなくドイツを発つことになりそうです。なので、もう少し余裕をもって始めてもよかったかなと思います。