Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2012年6月号 社会学部 K.K

◯日本から持ってきたら良かったと思うもの

持ってきたら良かったものというよりは、持ってこなければならなかったものがひとつあります。それはドイツ語で書かれた海外保険の証明書です。私たちは英語の証明書しか持ってきておらず、こちらで日本の保険会社に連絡し、自宅を経由して送ってもらいました。これがなければ滞在許可がおりないので、必ず日本で手配しておくことが必要です。
個人的に持ってきたらよかったと思う物は小説、専門書です。旅行のガイドブックに関しては以前のレポートにも書かれていたので持ってきていたのですが、小説や自分の研究に関する専門書をほとんど持ってきませんでした。出発前は日本語の本なんて読まない、時間の無駄と思っていたのですが、実際こちらでドイツ語の小説、専門書を読むことはかなり難しいです。私は4回生で帰国後、卒業論文を書かなければならないのでそれらが必要だったと思います。しかし電子書籍としてインターネットで買う事もできるので、どうしても必要であればそちらでまかなうつもりです。
そして留学で違う国に来たからとはいえ、今までの日本での趣味が変わる事はないので、自分の趣味、好きな物を多少無理してでも持ってきた方が良いと思います。私の場合は音楽が好きなので、音楽関連の機材をもっと持ってきたらよかったと少し後悔しています。
最後に何よりも大事なことが物ではないのですが、留学へ行く前にしっかりと具体的に自分が何をしたいのかを明確にしておく事、つまり明確な目標を日本から持ってきたらよいと思います。物はいくらでも買い足せますが、時間は買い足せないので、出来るだけ時間を有効に使うためにはしっかりとした計画を日本にいる間に練っておく事が大事だと思います。

 

◯現地の学生、友人について

大学の授業では留学生とは多く知り合うことはできますが、ドイツ人と一緒になる機会は少ないです。現地の学生は日本の学生と比べて比較的「まじめ」です。授業にはもちろん毎回出席しますし、授業中もとてもよく発言します。日本のようにだまって見ていると、一度も発言せずに授業が終わってしまいます。授業によってはバラエティー番組のひな壇のように生徒が授業をもり立てていることもしばしばあります。ここにも全体の和を意識する日本人と個人主義ヨーロッパの違いがあらわれているように思えます。

そして興味深かったのが、授業中に先生が神はいないといった内容の話をしているときに起きた事件です。その話の途中にイスラム教徒の学生が抗議し始め、その授業はその議論で終始しました。大学の講義の中で物事を「科学的」に(宗教抜きに)説明するのは私たち日本人にとっては当然ですが、宗教の背景が違うと当たり前のことが当たり前でなくなってしまいます。話が大きくなりますが、国際関係で起こりうる問題の大半はこのような日常に起こるそれぞれの文化、宗教などの背景による個人間の摩擦が積み重なったものであるということを実感できました。

現地の友人についてですが、私は同じ寮に住むエラスムス(欧州の交換留学生)の学生や他の日本人の留学生(獨協大、神奈川大)とよく街に出たり、飲みに行ったりしています。私は幸運にも隣人がエラスムスの学生で年齢も近く、ドイツ語が流暢なので、日常的にドイツ語を話す環境に恵まれています。休日にはよく二人でギターを弾いたり、本格的な料理に挑戦しています。

 

 

◯academicus internaitonalについて

6月27日にacademicus internaitonalという、国際交流祭のようなものが開催されました。

Duisburgキャンパス内で行われ、各国のブースが立ち並びステージ等もあり、私は何名かの日本人と日本のブースを設営し手伝いをしていました。そのブースには日本に興味のある学生が訪れ、習字の体験や和菓子の試食、麦茶、梅酒の試飲などが出来るようにしており、想像以上に多くの学生が訪ねてきたので、少し驚きました。その中でも習字体験は好評で、まずお手本に日本人が体験者の名前を漢字かカタカナで書き、それをまねして書いてもらうと言った物です。他国のブースも興味深く、となりのカメルーンは民族楽器を演奏し、ダンスなども披露していました。クオリティーがなかなか高く、感動していました。この催し物が毎年開催されているのかは不明ですが、日本に興味を持った学生と友達になれるチャンスです。

習字体験の様子

 

 

 

 

 

 

 

日本ブースの外観