Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2012年5月号 文学部 H.A

授業紹介①

大学の講義を一応取る予定でしたが、語学学校があるため今期は出ていません。語学学校は毎日あるので、正直大学の講義にまで出る余裕は私にはありませんでした。なので、語学学校について紹介します。

私の通う語学学校は午前と午後が選択でき、私は午後に通っています。IBZという大学公認(推薦?)の語学学校で、DSH(ドイツの大学に入るための試験)向けのようなので、話すよりも文法の授業が中心です。授業の形式は先生の文法の説明の後に演習、そしてまた説明・演習…といったものです。今は接続法やum~zu 不定詞、接続詞などをやり終えて、復習をしています。また、作文も何度か宿題やテストの一部として課されます。ネットワーク、仕事と結婚、環境問題など作文自体の量は多くありませんが、負担には感じます。

先にも書きましたが、DSHを念頭にした語学学校なので、クラスメイトもやはりDSHに受かることを目標にしています。文法が重要視されるので、授業は楽しいことばかりではありませんが、毎日やるべきことが決まっているということは楽です。大学の語学の授業は思ったほど多くはありません。ドイツに来たからといって、ドイツ語が急に話せるようになるわけではありません。語学学校ではそれほど話す機会自体はありませんが、安定した毎日だとは思いますし、文法は身につくと思います。語学学校で友人もできましたし、前期なにから始めようか迷う人には、語学学校を勧めます。

 

カルチャーショックについて

5月にもなるともう驚くことが少なくなってしまい、何がショックだったのかうまく思い出せません。1ヶ月も住めば日常ですし、カメラも撮るべきものがないので遠出をする時以外持ち歩きません。ただ、未だに驚くのが物の安さです。牛乳が一ℓ45セントで売っていたり、下着が5枚で4€で売っているのを見ると、もう日本では何も買えないような気がしてしまいます。寮費もこの安さが当たり前ですし、電化製品も安いです。

他には、日曜日と祝日は本当に店が閉まってしまうことです。駅の店とパン屋以外は見事に閉めてしまいます。私がなんで閉まるんだと聞くと、そうじゃなかったらいつ休むのよ、と返されてしまいした。交代で休んだり、いくらでも方法はあると思うのですが、彼らにとっては、日曜日と祝日は仕事をしないことが当たり前で、ドイツではとても浸透した考えのようです。ここまで見事に閉まることに驚きましたが、代わりに美術館に行ったり、宿題をしたり、ゆったりした休日を過ごせているような気がします。

ドイツでのカルチャーショックはだいたい旅行の本に載っているようなすでに知られたものです。私としては地球の歩き方を読めば十分だと思います。

 

 

ひとり暮らしと留学

私は、ずっと実家暮らしだったのでひとり暮らしをしたことがありませんでした。ドイツに来て(といっても寮ですが)、初めて食費や光熱費などを気にしたり、銀行口座を作ったり、カードを持つようになりました。日本ではバイトの給料も手渡しだったので、銀行にはほとんど縁がなかったし、ATMの引きおろし方も実はあやふやです。

留学ということも私にとって貴重な体験ですが、ひとり暮らしも私にとって貴重な体験です。ドイツに来て食事を作ったり、洗濯をしていると、人が生活するのは時間のかかることだと感じます。宿題に追われて時間がないときは、夕方までほとんど何も食べなかったりすることもありました。そもそも買い物に行かないと食料がないし、いつでも食べ物があった実家を懐かしく思いました。

けれども、私にとって料理をしたり洗濯を干したりアイロンしたりするのは楽しいし、手間でも自分の生活に愛着が持てて幸せな時間です。日本にいるだけだと多分そういうことに気づかず、ただ面倒だと感じていたと思います。ドイツでは自分の寮でパーティをしたり、そのときに食べるための料理を作ったりします。友達が部屋に泊まって行ったりもします。そういうときにおいしい料理を作りたいとか、ちょっとでも部屋を快適に過ごしてほしいと思うので、家事が嫌だとは思いません。

ドイツに来て、もちろん最初はわからないことばかりでした。でも、その度に多くの人が助けてくれて手続きや生活がうまくやっていけています。コインランドリーではおじさんが使いかたを教えてくれましたし、独協の方にも銀行のことでお世話になりました。インターネットの接続も隣人が手伝ってくれて、道に迷っても人に聞けば、親切に教えてくれます。ひとり暮らしさえしたことがなかったけれど、海外で初めてするひとり暮らしというのも人との交流があって、刺激的で楽しいと感じます。今は留学を望む人が減っているそうですが、若いうちにあえて苦境に臨んでみてもいいのではないでしょうか。別にうまく話せなくても海外での生活はできます。自分で来ることを決断し、誰かのせいにしたりさえしなければ誰でも留学を志してほしいと思います。