Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2012年5月号 社会学部 K.K

授業紹介1

留学生は大学で開講されている授業ならどの授業でも取ることができますが、私は今期、ドイツ語の授業だけを取っています。大学にはDaF(Deutsch als Fremdsprache)という外国語としてのドイツ語という授業があり、A1〜C1までのレベルに分かれています。今回は、一般的な毎週決まった曜日にある授業ではなく、週末に集中して行われた、“Konversation und Landeskunde”を紹介します。Landeskundeというのは、地域研究の意でドイツの文化、政治そして社会についてのテキストを読み、受講者同士で議論し合います。そして発表課題としてプレゼンテーションを15分ほどしなければなりませんでした。私はドイツと日本の戦後復帰の過程の違いを「移民」を切り口にして発表しました。私にとって、ドイツ語で発表するのは初めての経験でしたが、なんとか伝えることができ、他の受講生にも関心を持ってもらえました。他言語で自分が伝えたいことを言うときに、もちろんその言語が上手に越したことはありませんが、やはり、その内容に関する知識をしっかりと持っていることが大切だと実感しました。ヨーロッパでは、日常的に歴史の話をすることがよくあります。そのときにしっかりと日本の歴史、アジアの歴史について説明できることが重要です。もちろんヨーロッパの歴史にも詳しければ会話が弾みます。現在は原発の問題について聞かれることが多いので、正しい知識を持ち受け答えできれば、さらに日本について興味を持ってもらえます。最終日にはExkursionという遠足があり、楽しみながらドイツ語とドイツの文化を学ぶことができました。

授業風景

 

カルチャーショックについて

ドイツに以前2週間滞在した経験と、昨年度留学生寮チューターをしていたため、それほど大きなカルチャーショックは受けていませんが、ヨーロッパの経済大国とアジアの島国とを比較すると違いは数えきれないほどあげることができます。特に公共、市民、人間という概念が日本に比べてこの国では発達しているといえます。まず公共についてですが、ドイツでは非常に公共交通機関が発達しています。日本で生活する上で自転車がないと非常に不便を被りますが、ドイツの都市では路面電車、バスが市内の隅々まで走っているので、どこにでも公共交通機関で行くことが出来ます。さらに休日前や休日の夜にはNacht Busというバスが1時間おきに運行していて、休日は遊んでくれと言わんばかりに朝までバスが市内を駆け巡っています。平日でも電車は終電がなく、朝まで運行しています。そのかわり遅延、運休は日常茶飯事で気をつけなければなりませんが、かなり市民想いの制度だと感じました。

市民、人間についてですが、日本の場合、例えばサービス業などで、「お客様は神様」ということがよく言われますが、ここドイツで神様は神で、お客様はただの客、同じ人間です。そのため、どの店でも特別扱いされることもなく、ときには不誠実な態度を取られることがあります。日本では客は大きな顔をして買い物をし、不満があれば怒鳴り散らすこともしばしばですが、ドイツでは人対人の関わりに過ぎません。例えば、何が探していて、店員さんに訪ねたとしても、「残念ながら、ないわ」と冷たく突き放され去って行きます。日本では「申し訳ありません」などの謝罪の言葉があってもいいのではと思いがちですが、ないものはなく、かれらの責任ではないのです。当初は少し不満に思うこともありましたが、よく考えると日本がすぐに謝罪しすぎるだけのことだなと今では理解しています。それだけでなく、いわゆる「目上」の人と話をするときでも、余程公式な場でもない限り、友達と同じような話しぶりで気軽に話をします。日本後の敬語や日本の厳しい上下関係は誇るべき文化ではありますが、人間対人間の関わり合いという点でみると、こちらの方がお互いを尊重し話をしているように思えます。欧米と日本との違いと言ったときによく比較される、欧米の個人主義と日本の和という概念の違いというのが以上で述べた点だと思います。人間、人権という概念を、そしてそれらが発達してきたヨーロッパ大陸の伝統が、小さなスーパーマーケットの日常の中にも垣間みることができます。

眠らないDeutsche Bahn

 

NRWでの生活

エッセンはドイツの経済を支えているノルトラインベストファーレン州に位置しています。前月のレポートにも書いた通り、メルヘンのかけらはどこにも見当たりませんが、悪いことばかりでもなく、同州には見所がたくさんあり、州内の電車は学生証で乗り放題なので休日には様々な場所に買い物や観光に訪れることができます。今回のレポートではいくつかの都市を紹介したいと思います。

・ケルン(Köln)

ノルトラインベストファーレン州の目玉はやはりケルンで、あの有名な大聖堂ばかりではなく、街並も綺麗で優雅な休日を過ごすにはもってこいの場所です。(エッセンから約1時間)

・デュッセルドルフ(Düsseldorf)

同州の州都であり、大きな空港もあり、多くの日本人が生活している街で、たくさんの日本食品の店や日本食レストランが立ち並んでいます。特にラーメン屋は少々高いですが絶品で、日本のラーメン屋に負けないくらい「うまい」ラーメンを「食う」ことができます。日本人のラーメン職人さんを眺めながら餃子でビール(もちろん日本のビール)を一杯やっていると日本にいる錯覚までおこします。そんなデュッセルドルフも旧市街まで行くと、街並は素晴らしく、たくさんのバーが軒を連ねています。サッカーの試合のある日には、店のスクリーンに大きく映し出され、ドイツ人のおじさんたちと一喜一憂するのも楽しいです。(エッセンから約40分)

 

・ミュンスター(Münster)

おそらくノルトラインベストファーレンの中で最もドイツらしい街です。たくさんの教会があり、石畳が歩きづらいという嬉しい街です。三十年戦争後のウェストファリア条約が結ばれた街でもあり、その条約が結ばれた市庁舎の平和の間は見学することができます。留学生は口々に、NRWで一番良い場所と言っていました。(エッセンから1時間強)

 

その他にも20年ほど前までの首都であったボン、アーヘン、ドルトムント、シャルケのホームであるゲルゼンキルヘンといった私たちに馴染みぶかい街があります。

限られた1年間という時間の中で、お気に入りの場所をこれから探して行きたいと思います。

夜のケルン大聖堂