龍谷大学グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

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デュースブルグエッセン大学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学

2012年8-9月号 文学部 O.J

レポート作成文学部 O.J

*建築

こちらで知りあった友人の家があるMoenchengradbachに何度か行きました。その人によるとエクササイズのピラティス・メソッドの創始者の出身地ということです。ここは駅前は現代的な街並みですが、現代美術で有名な美術館があったり、その隣にも現代美術のモニュメントが配された公園があったりと芸術に親しめる街でした。友人宅の周辺は、戦火で焼けて建てなおされた無骨な住宅と戦火をまぬがれた壮麗な住宅とが斜面に混在する不思議な空間でした。壮麗な住宅のほうは張出し窓があったり窓の縁や壁に装飾があったりと、ドイツらしさというか、ヨーロッパ建築の素朴な完成物を見ることができ心安らぎました。しかし近年に立てられたと思しき住宅の方も、日本のように統一感のない外観となることなく、うまく旧くからの建物と調和させているように感じました。地震等多数の自然災害にさらされる国であるのでしかたのないことなのですが、やはり住宅を含めた景観という点ではドイツが優ります。ただし、特に観光地だと吸い殻のポイ捨てや散乱するゴミなどは日本のほうが少ないし、公共の場所の清潔さでは圧倒的に日本の都市部のほうが優っています。
Heidelbergの友人に、ドイツは環境意識の高い国だと思っていたが、なぜポイ捨てが多いのかと聞いたのですが、ドイツ人はあまり他人のことを気にしないから、という旨のことを言っていました。たしかに、電車の向かいの椅子に靴を履いた足を載せる光景などを見ていると納得するものはあります。 両国の景観について、どちらのほうが良いものかは難しいところですが、京都市がやっているように、建造物に対して条例による一定の制限を設けたほうがいいのではとも思います。とくに駅前とか沿線の地域に消費者金融などの原色を使った派手な広告が踊っているのはドイツではあまりみかけたことがないですし、他にも、電柱を地中化する、といったことを試みてみてはどうだろうかとも思います。
外国の人に日本の景観を紹介するとき、たしかにポストカードになるような富士山や鴨川の桜といった美しい場所もあるのですが、日本に遍在する一般的な都市部とか郊外という場所は、統一的な日本的美しさというものを欠いていて、公共事業の経済効果以外を顧みず設置されたような奇妙な建築群ばかりが目についてしまうように思います。下町の風情を残した住宅とモダンなデザインのビジネスビルがすぐとなりにあることなど日本では珍しくなくないのを見ると、小京都などと呼ばれる地域の景観に見倣い、ぜひとも地域全体でデザインを整えて欲しいと感じます。

 

*緑地


ドイツの都市は緑地が多いです。EssenのSchloss Borbeckの近くにあるGartenも非常によいものでした。日本の一般的な公園と違い、都市部に近いものであっても広大な土地をもっている公園がある印象です。群生している植物が違い、針葉樹が多いので風景は異なりますが、人間の手によってきれいに整備されていながらも植物の本来あるべき状態がのこされているという感じで、森や林といった環境への意識が現れているように思えて感動しました。公園に足を踏み入れたのは何気ない気持ちでしたが、意想外に清新な刺激を受けました。日本にいた時には森林浴というのはあまり馴染みのない言葉でしたが、この近くで暮らしていればそういうことをしようとする気持ちがおこるのも至極当然のように思います。 地図を眺めていても緑の部分が多いです。日本もたしかに国全体で言えば緑が多いですが、発展している場所は、京都市内をはじめ、都市機能の集約に適した平地に人と住宅が集まっており、土地が小さいからだと思いますが、あまり「緑に囲まれている」という印象は受けないと思います。日本の都市内公園は都市のなかに自然があるに過ぎませんが、むしろドイツの都市は、たとえ工業都市であっても自然の中に都市があるというのが素直な感想です。

 

*本

Tonio Kraegerを読んでいました。ある授業で、勉強のためにTonio Kraegerを読んでいると言ったら、なぜそんなに難しい本にしたのか、と講師に返されてしまいましたが、たしかにかなり難しいものです。邦訳と読み上げCDを持っているからといって安易に手を出すべきではなかったかとも思いました。しかし読む速度は非常に遅いながらも、幾ページか読んでいくと良さが分かって来ました。時おり作者トーマス・マン自身が読み上げた音声を聞きながらこの誉れ高い古典文学に身を浸していると、現代ドイツの都市風景とはことなる想像の世界に遊ぶことができました。作中に挿入される画家のリザヴェータと主人公トーニオの対話などはかなり高度な言い回しで、それが自分のドイツ語の会話能力にすぐさま資するというわけには行きませんが、知的で高級な生活をおくる人びとがどういう話し方をするのかということには理解が深まったと思います。百年以上前のドイツ人が着ていた衣装や、バルト海の航海の描写を味わうの楽しいものでした。岩波文庫の実吉捷郎訳、河出文庫の平野卿子訳と二冊も携行してきていたのですが、文庫一冊と言えども少々かさばるので、一冊にしておいて違う作品を持ってきてもよかったかなとも思いました……。

 

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