Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

デュースブルグエッセン大学
2011年5月号 文学部 S.S

授業紹介

今は週に6つの授業を受講しています。IOS(Institut fuer Optionale Studien)というプログラムが大学にあり、様々な語学の授業を提供してくれています。日本の大学では外国語大学でしかないような言語も学ぶことができます。

今回は僕が受講している中でもGrammatikの授業について紹介します。

この授業はいわばドイツ語文法の授業です。DaF(Deutsch als Fremdsprache)という種類で、ドイツ語を外国語として学ぶというものです。先生はフランス人の先生で、すべてドイツ語で行われます。

日本にいたころはドイツ語を勉強する際にも全て日本語で説明してもらっていましたし、文法事項の名前も日本語で覚えていました。しかし、ここドイツではドイツ語の授業をドイツ語以外の言語で行うということは一切ありません。もちろん聞いたことのない文法の名前が授業中に飛び交う事になります。しかしドイツ語をドイツ語で理解することによって今まで以上に深く理解することができますし、語彙も格段に増えます。例えば、授業中に知らない単語を先生に質問すれば、知っている学生がドイツ語で説明しなければいけません。また、先生もフランス人の方ということで、外国人が陥りやすい文法上のミスなどを外国人の視点から教えてくれるので分かりやすくドイツ語の文法を学習することができます。先生が大変ユーモアに富んでいる方で、堅苦しく毛嫌いされる文法の時間が暖かい雰囲気の楽しい時間になります。僕にとっても週に一回しかありませんが、毎週火曜日のこの時間が非常に楽しみな授業の一つでもあります。

 

カルチャーショックについて

○サービス

僕がドイツにやってきて一番驚いたのが様々なサービスについての違いです。例えばスーパーでは客は自分が買うものをレジでベルトコンベアに自分で一回置き、レジを打ってもらったあとまた自分の持ってきた袋等に入れます。日本のようにカゴをわたし、店員がまたカゴに入れなおしてくれるということはありません。また日本のように「いらっしゃいませ。」というような丁寧なあいさつはありませんし、小銭を出すのが遅いとあからさまに嫌な顔をされたり、先にお釣りを出されてしまうことがあります。レストランなどでも注文した料理の調理を忘れていても謝るということはまずしません。またDB(Deutsch Bahn)というドイツの鉄道会社は5分の遅れは当たり前、時には30分遅れということもざらにあります。基本的に時間通りに来たことの方が少ない印象を受けます。(これにはドイツ人も怒っています。ただ日本のJRの震災当日の列車運休による謝罪もどうかと思いますが。)

最初は慣れずに、イライラしてしまうことがたくさんありましたが、今はだいぶ慣れてきましたし、日本が良すぎるだけで世界のほとんどの国はドイツのようなサービスが普通かなと考えられるようになりました。しかし、ドイツで稀にいいサービスを受けると本当にうれしい気持ちになります。また、最近は日本のようなマニュアルで「やらされてる」サービスよりまれにあるドイツの「自らお客さんのために」のサービスの方が本当に気持ち良いと感じるようになりました。(ドイツ人にとって『お客様は神様』という考えは理解できないようです。)しかし、もう少し全体的に様々なサービスは向上してほしいと感じています。

 

○日照時間

次は良い面でのカルチャーショックを紹介します。今日本でも少し議論になっているかと思いますが、ドイツにはサマータイムというものが存在します。これは3月最終日曜日から10月最終日曜日まで標準時間より一時間早めるというものです。ドイツと日本は普通日本時間マイナス8時間の時差がありますが、サマータイム中の時差は日本時間マイナス7時間になります。これによって日照時間を多く楽しむことができます。またドイツは日本より緯度が高いので5月の時点で9時半に日が落ち、未だに不思議な感じがします。空が明るいからといってのんびりしていたら、すでに9時をまわっているということがよくあります。また、真夏になると10時半近くまで日が出てることもあるとか。まだなかなか慣れませんが、短いドイツの夏をいっぱい楽しみたいと思います。

 

Schrebergarten(シュレーバーガルテン)について

今回はドイツの街から少し離れたところに行くとよく目にするSchrebergartenについて書きたいと思います。

 Schrebergartenは日本語に直すと賃貸小菜園になります。本当の田舎に行かない限り、ドイツでは庭付き一戸建ての家というのはなかなか目にすることはできません。しかし、自然の中で過ごすのが好きなドイツ人はSchrebergartenを街の中心から離れた場所に借りているのです。結構数のドイツ人がこのSchrebergartenを借りているようで、そこには小さな家があり、庭があります。人によって野菜を育てている人もいれば、花や木を育てている人もいます。そして、週末になると庭で土いじりをし、日向ぼっこをし、昼過ぎになると友人たちとBBQをしながらビール片手にサッカーを見て過ごすのが典型的なドイツ人の週末の過ごし方のようです。また、その小さな家には泊れるような設備が整っていて泊りがけで週末を楽しむ人もたくさんいます。

先日僕も知人のSchrebergartenにお邪魔させてもらい、日向ぼっこをしながら本を読み、その後にBBQをしてドイツ人と語りながら週末を過ごしました。素敵なSchrebergartenで心を落ち着けることができ、本当の意味でリラックスした1日を過ごすことができました。ドイツ人は休暇というものを非常に大事にします。日本人のような働き方は理解できないようで、ドイツ人は休暇のために働いているというような印象を受けます。Schrebergartenで過ごす週末は平日の仕事の疲れを癒し、そして再び始まる一週間へ向けての活力を養うためにあるように感じました。