龍谷大学グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

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コメンスキー大学人文学部マンスリーレポート

コメンスキー大学人文学部

2017年4月号 国際学部 K.M

レポート作成国際学部GS学科 ICHA

『カルチャーショックについて』

○ カルチャーショックというワードを聞いて

大学に入学し一年目、海外留学の準備SAPの授業でカルチャーショックについて学びました。その際私は、カルチャーショックと呼ばれる現象には5つの段階があり、すべての人が同じ段階をたどるわけではないが、一定の適応理論があるということを学びました。これをただの知識だと言ってしまえばそこまでですが、そのことを知っているかどうかは海外で生活するうえで意外にも大切であると身をもって感じています。もし、この理論を初めて聞いたという場合は事前に調べておくことをお勧めします。

 

○ スロバキアにおけるカルチャーショック

そもそもカルチャーショックとは「自文化の習慣や考え方と離れたものに触れたときに起こる、心理的なショック」であると定義されますが、スロバキアでの生活において精神的な病を引き起こすほどの心理的ショックを感じたことはありません。というのも事前にスロバキアという国が日本からかけ離れた場所に位置し、違った文化や生活習慣を持つ外国であるということを認識していたからです。そのためスロバキアにおいて「こんなカルチャーショックを経験した!ありえない」という実例を挙げることはできませんが、日本と同じようにスロバキアにも良いとこもあるが悪いとこもあると心得ています。「スロバキアは言わずもがな異国であり日本でのいわゆる当たり前のことは通用しない」と割り切れるかどうか、そのことは重度のカルチャーショックになるかならないかの重要な指針になっていると思われます。

 

○ そのカルチャーショックを自身で制御するために

私が国際学部で文化について学び、感じ考えたのは「他文化への理解の重要性」です。我々日本人が、日本文化がどうだとか受け継がなければならない大切な伝統がある、というのと同じように他国には他国の文化や伝統、そして習慣があります。日本人がその文化の消滅や浸食に抗い、外国人に日本のやり方を学んでほしいと切に願うのと同様に、スロバキア含め西洋の国それぞれにも文化や伝統、そしてルールがあります。そのルールを学ぶという試みは、訪れる国に実際に足を踏み入れるまで達成されませんが、少なくともにどんな国か、どんな風習があるのか等、その国の特徴やルールを学ぶことは特に今の時代、容易にできると言えるでしょう。この留学をする前に特定の国について学ぶというプロセスを経て、外国であるという至極当然の現実を受け入れる準備をしておくこと、そのことこそカルチャーショックの有効な対策であると言えるのではないでしょうか。(論文みたいになりました(笑))

 

『スロバキアの社会構造とEUによる貨幣の支配』

カルチャーショックに関連して、スロバキアに来て感じたことや社会システムについて言及しておこうと思います。前述した通り、深刻なカルチャーショックの経験はないものの、この国への不満は多々あります。そもそもスロバキアという国は発展途上の国でありインフラ整備が十分に整っていません。その上で、元共産主義国としての面影が色濃く残っています。これは現地に来て現地の住民と対話をして驚いたことでもありますが、2017年現在においても「共産主義時代の方が良かった」と回顧する国民も少なくありません。生活水準は低くみんなが貧乏でも全国民に同等の住居や給与が与えられる社会を経験している彼らにとって、街中でオープンカーに乗ってお金にものを言わせている連中や、その一方で生活に困窮し泣きながら街中で物乞いをしている人々は見てられないそうです。資本主義社会の住民である我々からすると「努力せずとも報われる社会を経験した市民は、努力して報われる社会を嫌っているのだ」と批難することができ、またそうしがちですが、彼らには彼らの価値観があること、そしてロシアサイドと西洋サイドに挟まれ苦渋の決断を迫られてきた歴史があることを認識すれば簡単な問題であるとは言えません。

 

そんな状況から脱却するためには、つまりどうすればスロバキアが経済力を高めるためにはどうすればいいかを考えると、明らかな弊害となっているのがEUによる貨幣の支配です。2017年現在、EUという連合体においてユーロの恩恵を受けている国はドイツ一国といっても過言ではないと思います。というのも、ドイツ以上に輸出産業に強い国がヨーロッパにはないからです。今年の2月に「ドイツは不当なユーロ安で暴利を貪っている」というドイツへの批判がアメリカ(トランプ政権の貿易政策を担当する国家通商会議のピーター・ナバロ委員長)によってなされましたが、この批判はあながち間違いではない、むしろ正しいのではとも感じます。換言すると、(あぐで個人の見解ですが)スロバキアはこのユーロという通貨の拘束から脱却することなしに未来永劫デフレから脱却することは不可能だということです。現在4〜5ユーロ程度であるスロバキアの平均時給が10ユーロを超えるということは「ドイツ」の存在がある限りあり得えません。(明らかにEU内にはヒエラルキーが存在し日本やアメリカの貿易相手国としてドイツやフランスがあるのではなく、そこには”EU”という連合体が存在し、そのEU連合のトップにドイツやフランス、そして他国はそれを支えながら支援してもらうという構造を想像していただければ分かりやすいかと思います。) その原因にはスロバキア人の国民性も大きく影響していますが、何よりスロバキアに観光資源がほとんどなく、さらに特化した産業がないことが大きいです。そんな国がEUによる貨幣の支配を受けることで一定の経済の安定と引き換えに自国の経済成長を阻害されているというのが私の見解です。

 

またスロバキア国内の問題として公的機関の機能が明らかに鈍化しています。現地のスロバキア人の学生から聞いたのですが公務員や政治家であっても賄賂の問題が当然のようにつきまどっており、その下で働くスロバキア人は(これはもちろん人によりますが)まるで現代の社会を風刺しているかの如く、決まった仕事以上のことをしようとしません。その原因の一つとなっているのがエリート層の流出であり、このスロバキアの現状に悲願した優秀な若者が平均時給の高い西側のヨーロッパや国外に移動することがさらなる悪循環を生んでいます。その意味で(もちろんトランプ政権のすべてを肯定するわけではないが)トランプの言う「EU欧州経済通貨同盟はドイツの道具」という指摘は実に的を射ていると感じます。

 

これが「イギリスがブレグリッジを起こしてしまったEUの現状」です。将来のことはわかりませんが、EUという連合がイギリスにとって用済みだと感じる理由はなんとなくヨーロッパにいて分かる気がします。

写真は誕生日にアテネに行った時に撮ったものです。アテネには街中に犬がいっぱいいます。反緊縮財政進め甘ったれてるギリシャ政府は大嫌いですが、財政破綻したせいで飼い主が餌代を負担できなくなって野良になっちゃった犬や猫を一頭も殺処分してないとこは政府の素晴らしいところだと思います。

 

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