Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

バルセロナ自治大学
2011年11月号 国際文化学部 Y.U

・試験のこと

私が受講している科目はjaponésとtandem、castellano(※詳しくは先月号を参照)ですが、現在の時点では中間テストや期末テストの説明は詳しくされていません。しかしながら試験に関する情報は少しあります。

まず、japonésでは最終的な試験についてはまだ説明がされていませんが、単語テストについては日本語を学んでいる学生と同じものを受けています。ある単語を日本語からスペイン語に訳す、あるいはその逆であっても難易度にあまり差がないためです。単語テストはだいたい3回の授業に1回程度行われています。また、日本語の先生によると、一度私たち日本人学生が日本語の模擬授業をするとのことです。

次にタンデムは、スペインの学生と企画したプロジェクトを12月の後半までには終わらせなければならないようです。タンデムには試験というものがないと思いますが、終えたプロジェクトを発表あるいは報告することによってその成果を示すのだと思います。

最後にcastellanoの試験についてですが、12~1月の間に行われるようです。まだはっきりとは説明がされておらず詳しいことは報告できません。しかし授業の内容のほとんどは文法についてのものなので、試験もおそらく文法に関する問題が出されると思います。

 

・治安、危険を感じたこと、トラブル等について

治安が悪いと強く感じたことはありませんが、経済危機の影響によって治安は少しずつ悪くなっているようです。例えば最近では国に対して多くの抗議活動が行われています。その中で最も身近に起こったものは、UABでのボイコットです。経済危機により学費が上がり、職員の給料が下がられたことに抗議するために今月ボイコットが行われ、その日は授業が全て休講になりました。休講になったというよりかは、休講に「させられた」という方が正しいかもしれません。なぜなら学校の最寄駅は学生によって封鎖され、ほとんどの人が学校の敷地内に入ることができなかったからです。私は学校の寮に住んでいたので学校に入ることはできましたが、近い駅を利用できず非常に不便な思いをしたことを覚えています。そのボイコットは夕方ごろに終了し、その後バルセロナ市内で学生によるデモが行われたと聞いています。

今後も多くの抗議活動が行われることが予想されますが、私はそれらに関わるべきでないと思います。まず第一に安全面で問題があるからです。特にデモでは多くの人々が集まる上に、彼らは抗議のために何をするかはわかりません。UABのボイコットがあった日のデモでは、デモに参加していた人たちが町中の窓ガラスにスプレーで落書きしたという話を聞いており、デモ中の人々が普通の状態であるとは思えません。よって身の安全のために参加すべきではないでしょう。

2つ目の理由は、抗議活動の内容について深く知らないのに参加するのは少し軽率だからです。例えば「デモに参加する友人に誘われたから行った」という人がいましたが、彼らが何に対して抗議しているのか、そしてそれは何故なのかを知らずに参加したとしても意味はないのではないでしょうか。本当にその抗議活動が自分の考えに沿っているのか、あるいは正しいものだと思うのか、それらを事前に考えることなく参加することは軽はずみな行動のように思えます。

 

・ 変えられない価値観

スペインで3ヶ月近く暮らすと、その文化や習慣の嫌なところが徐々に見えてきてしまいます。(※以下は『私が見た、聞いた一般的なスペインの話』なので、必ずとも正しいとは限りません。)

まず、日本との生活に比べるとやや不潔に感じてしまいます。例えば、私のルームメイト(3人とも全てスペイン人)の場合、ゴミが溜まっていても誰も捨てに行かなかったり、服をあまり洗い行かなかったりすることがしばしばあります。中でも特に理解しがたいのが、トイレ(小)を流さないことです。彼らにとってはそれが普通なのかもしれませんが、我慢し続けることは難しいです。それはもしかすると日本人がキレイ好きだからかもしれません。

次に、日本のような「察する文化」はほとんどありません。よって言葉で伝えるか、よほど露骨に態度に現さない限りは、自分の気持ちを察してくれることはほとんどないでしょう。したがって何か相手に伝えたいことがある場合はしっかり言葉にして伝えなければなりません。しかしながら何かある度に口に出して相手に言うというのは野暮な気がしてしまい、なかなかできません。けれども言わなければ相手に伝わらず、最終的に自分が我慢することになってしまうことがよくあります。

以上のようなことを最初は「これがスペインでは普通だから頑張って慣れよう」と思っていましたが、それは不可能でした。やはり変えることのできない価値観というものは存在します。つまり、相手の価値観に合わせることが必ずしも必要とは限らないということです。適度にスペインの生活に合わせ、無理のない留学生活を送ることが大切だと思います。よって私は現在、2人暮らしの部屋に引越しを考えています。