Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

バルセロナ自治大学
2011年10月号 国際文化学部 Y.U

・授業紹介①(受講している科目について)

現在受講している科目はjaponés(日本語)、castellano(スペイン語)、tandem(タンデム)の3つです。

まずjaponésとは、スペインの学生が日本語を学ぶために受講している科目のことです。私たち日本人はその授業にチューターとして参加し、日本語の読解や文法を教えています。スペインの学生で日本語をとても上手く話せたり書けたりできる人はほとんどいないので、スペイン語を使って説明することになります。また、彼らから質問されるときもほとんどがスペイン語です。よって私の日本語をいかせるだけでなく、スペイン語のリスニング力やスピーキング力の向上も図ることができるので、japonésの授業はとても役に立っています。

次にcastellanoとはスペイン語の授業のことです。9月に行われたテストでクラスが3つに分けられており、私は真ん中のレベルのクラスで受講しています。内容は主に読解やリスニング、文法の練習です。読解はだいたいA4サイズ1枚弱の文を読み、その文に関する問題を解いていき、リスニングは流された会話を聞き、それに関する質問を先生がしていくというものです。また文法は、どのような順番で進んでいるのはわかりませんが、毎回違う用法(線過去、点過去、未来形など)を学習していきます。 文法に関して何か思うことはあまりありませんが、日本以外の留学生は私たちに比べてリスニングとスピーキング力に長けているので、その面では少し焦りを感じるときがあります。

最後にtandemとは、日本語を勉強しているスペイン人学生と日本人留学生がいくつかのグループを作り、それぞれがあるプロジェクトを進めていくというものです。映画を作るグループや料理紹介をするグループ、コントをするグループなどがあり、最後に各グループがそれらを発表する予定です。

他にもカタロニア語や、英語、カタルーニャの歴史など他の授業も受講することができるようなので、興味があって尚且つスペイン語で開講されているものであれば取ってみてもいいと思います。

 

・カルチャーショックについて

カルチャーショックはたくさんありましたが、特に気になったのは接客態度の違い、フィエスタ、時間のルーズさの3点です。

スペイン来るとまず、空港の係員や店員の人たちが冷たいという印象を受けました。日本では接客の仕事についている人はお客さんに対して愛想良くするのが普通ですが、スペインではそうではないようです。日本に比べるとつまらなさそうに働いている人も多く、何か間違えると店員さんに「それはいけません」とはっきり言われます。しかしずっと冷たいというわけでもなく、会計を済ましてから「ありがとう」と言うと笑顔で「ありがとう」と返してくれます。つまり、スペインの接客が冷たいのではなく、日本の接客が良すぎると考えるのが普通なのかもしれません。必要以上に愛想良くする必要もありませんし、お客さんが間違えれば注意するのが自然という考えです。客と店員という関係だけでなく、それ以前に人と人としての関係があるような気がします。したがって、もしスペインの接客業の人たちが冷たいと感じたならば、まず自分自身が愛想良くしてみるといいのではないでしょうか。

次に驚いたのは、休日になると多くの人がフィエスタ(パーティー)に行くのですが、その時間がとても遅いことです。フィエスタはだいたい22~24時ごろから始まり、終わるのは3~5時と、かなり遅い時間まであります。普段25時ごろに寝ているので、フィエスタはかなりの体力を消耗します。慣れればそれが普通になるようなのですが、私は生活リズムをあまり崩したくないので頻繁には行かないようにしています。つまり、フィエスタが身体的に辛い場合にはしっかりと断る必要があると思います。

最後に驚いたのは、時間のルーズさです。たとえば授業であれば時間通りに始まることはほとんどなく、5~10分経ってから始まります。電車も同じように2~3分遅れてくることはよくあることです。またスペインの人から「5分待って」と言われたときには、だいたいの場合には10~15分ほど待たなければなりません。最初のころはこのルーズさが気になっていましたが、最近では理解してきたのでほとんど気にならなくなりました。

以上が主なカルチャーショックですが、それら文化や価値観の違いに自分が合わせるかはその人次第です。どうしても変えることのできない習慣や価値観があるのならば、変える必要はないと思います。合わせられるものはできるだけ合わせて、どうしても合わせられないものは無理をして合わせず、それを相手に理解してもらえればスムーズな留学生活を送ることができるでしょう。

 

・課外活動について

スペインに留学に来る人は語学以外にも何かしら「したいこと」があってくるはずです。たとえばサッカーやバスケットボール、フラメンコなどです。私の場合はそれがハンドボールだったので、スペインに到着してからインターネットでチームを探し、あるチームに加入しました。現在平日は練習、週末は試合という充実した日々を送ることができています。

私のようにスペインでしたいことがある人はぜひやってみるべきだと思います。なぜなら留学生活がさらに充実したものになるからです。たとえば授業後の時間を有効に使うことができます。実際、授業はほとんど夕方で終わるので、夕方~夜にかけて時間が空くことになります。その時間を自分の好きなものに使えることは、非常によい時間の使い方なのではないでしょうか。

またそれら活動に参加することによって、ほとんどの場合において会話の機会を確保することができるはずです。さらに、より多くの人と接することによってスペイン語の練習にもなるでしょう。実際私の場合は、チームメイトのそれぞれが独自のなまりを持っているので最初は理解できず苦しみましたが、最近ではそれを少しずつ聞き取れるようになってきているので、自分のリスニング力が成長していくのを感じることができています。

つまり、課外活動をすることによって時間を有効に使えるだけでなく、語学の学習にもつながります。よってスペインで何かやりたいことがあるならば、ぜひやってみてください。