Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

オーフス大学
2010年10月号 経済学部 S.U

大学

☆授業紹介①

 

私は日本で経済学部に所属していたのでこちらでもSchool of Economics and Managementという経済学部と経営学部が混ざったような学部に所属しています。

Development Economics(開発経済学)は月曜日と水曜日の14:00~16:00の間に開講されます。授業は主にレジュメを見ながら教授の講義を聞く形式で、15人ぐらいの学生がこの授業に参加していています。

後発開発途上国(または最貧国と呼ばれ主にアフリカの国々)の現状をデータやグラフから読み取り、今後どのようにすれば発展できるかなどを学びます。GDPや識字率などといった一般的なデータだけでなく、マラリアが経済発展に及ぼす影響などといった一見まったく関係なさそうな事柄に焦点を当てることもあり、非常に興味深いです。また過去に貧しかった国々がどのようにして発展していったか、その要因や当時の国の環境はどうだったのかなど歴史から経済発展を読み解くこともあります。

貧しかった国が発展を遂げた例としてよく戦後の日本が挙げられます。日本がどのように成長したのか、何が重要な要因だったのかなど客観的に学ぶことができてとてもおもしろいです。また今現在発展を遂げている国としてよくシンガポールや台湾、中国などの東アジアの国々が登場します。世界中からアジアが注目されていることがわかります。

この授業を通してアフリカの国々がどれだけ悲惨な状況にあるかを学ぶことができます。また今後経済発展をするのが容易でない状況であることもわかります。日本は過去に急激に発展を遂げた国として発展途上の国々にもっと何かできることがあるのではないかと考えさせられます。

 

街並み

☆カルチャーショックについて

 

私はこの留学が初めての海外渡航であったため目につくものや感じること、体験することすべてがカルチャーショックであったように感じます。

印象的だったのが日本とのサービスの違いです。日本のお店では店員は笑顔で接客し親切にするのが当たり前となっていますが、こちらではそうではないようです。もちろん親切な店員もいますが、なかには他の店員とずっと立ち話をしている人やすごく不機嫌な様子で業務をする人もいます。

時間に対する考え方の違いにも驚かされました。例えばバスの時間が守られないことがあることです。かなり待つこともあれば予定にはない時間に来る時もありました。また友達と待ち合わせをすると友達は必ずと言っていいほど遅れてきます。しかし日本の勉強をしているデンマーク人の友達曰く、デンマークに来た日本人はとても時間にルーズになってしまうそうです。私も気をつけようと思います。

時間の使い方も日本とはかなり異なるように感じます。日本では遅くまで働くことが当たり前のようになっていますが、デンマークの人は定時になればほとんどの人が帰宅します。そして家族と過ごしたり自分の趣味に費やしたりするそうです。このような心・社会のゆとりも日本に必要ではないかと思います。

一番のカルチャーショックはやはり食文化でしょうか。日本とは食材や調味料が違うので料理もかなり違いがあります。料理に多くの油を使っているのであまり健康に良さそうには見えません。しかし野菜がすごく安いのでみんな料理によく使っています。2キログラムのニンジンやポテトを150円で買うことができることには大変驚かされました。

デンマークの空は広くとてもきれいです。街中でも街灯が少なく、大きなビルや電線がほとんどないのでさえぎるものがないおかげです。空気が冷たいこともあるいは関係があるのかもしれません。天気がいい時には朝や夕方には真っ赤な空を、昼間には真っ青な深い空、夜には一面の星空を見ることができます。

 

寮にて

☆Potato Week Holiday

 

デンマークの毎年42週目は一週間の休みです。今年は10月の第3週目でした。その週はPotato Week Holidayと呼ばれるもので、昔ポテトの収穫を子供たちが手伝うための休みだったそうです。ポテトの収穫のためというところがヨーロッパらしい習慣だなと感じました。私は授業が始まってからほとんど毎日図書館にこもる日々で体がなまってしまっていたので、汗をしっかりかき、リフレッシュするために過ごしました。

毎日欠かさず行ったのがランニングです。寮の近くには森や大きな湖、牧場が広がりとても自然が豊かで、その中を走り抜けるのはとても気持ちがよいです。デンマークの冷たい空気も心地よく感じることができます。ランニングの最中には他のランナーを頻繁に見かけました。日本と同じようにデンマークでもランニングは老若男女問わず人気があります。

ランニングの後は寮内にあるサウナに行きました。乾式のサウナで中の温度は80度にも達しますが心地よく汗を流すことができます。意外だったことがデンマークの人たちはあまりサウナを利用しないということです。他の北欧の国と同じようにデンマークでもサウナを頻繁に利用するのかと思っていましたが、友達に聞いてみてもプールのあとぐらいにしか入らないと言われました。ちなみにポーランド人の友達はサウナのことをただ暑いだけの部屋と言っていました。

その他にも友達と卓球をしたりいっしょに映画を見たり料理を作ったりと充実した休みを過ごしリフレッシュできました。休みを利用してヨーロッパ中を旅行するのも良いですが、気の合う仲間とのんびり過ごすのも同じくらい楽しく充実したものになります。