Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

上海師範大学
2015年4月号 文学部 T.M

<環境について>

《寮》

先月のレポートの中でも少し触れさせていただきましたが、上海師範大学の留学生の大多数は学生寮に住んでいます。キャンパス内外に複数の学生寮があり、留学生はその中で「国教」、「学思园」、「外宾楼」の3つの寮に割り振られます。本年度の龍谷大学からの留学生は「国教」への入寮となりました。

この3つの寮は、部屋の設備や間取り、広さ、立地などの様々な点で違いがあります。ここでは、友人達から聞いたそれぞれの寮の特徴を簡単にまとめたいと思います。

○国教:「上海教育国際交流中心」

・ホテルとしての利用もされている

・1階にレストラン、カフェ(夜はバー)、売店などがある

・一人部屋と二人部屋がある 聞くところによると、3つの中で最もきれいだとか…

・階によって設備や内装に違いがある(4階の部屋は冷蔵庫が大きい、床がフローリング等)

・キャンパス外にあり、ICCSや他の寮、キャンパス内の食堂などから最も遠い

・前述のレストランや売店などの商品がどれも高い

・3つの寮の中で唯一、学内の無線LANが使用できない(そもそも設備がない)

・どの部屋も(少なくとも聞いた限りでは)バスタブがない

○学思園:「学術文化交流中心」

・東西に分かれている

・一人部屋と二人部屋がある 二人部屋にはバスタブがついている

・東側の建物には散髪屋やレストランがあり、西側の建物の1階にもレストランがある

・3つの寮の中で洗濯スペース、洗濯機の数が最も多い

・無料の学内LANが西側1F及びいくつかの部屋では使える

・食堂やキャンパス内の料理屋、コンビニ、パン屋などに最も近い

・東側の建物にはエレベータがない

・授業を受ける教室から最も遠い

○外賓楼

・1階ロビーがきれい ここで無料の学内LANが使える

・1階にレストランあり あと、トイレがきれい

・二人部屋 バスタブがついている

・ICCSや留学生センター、正門に一番近い

 

以上が各寮の特徴です。この他にテレビや冷蔵庫などの備品の違いなどがあります。

どの寮にも従業員の方々がいらっしゃいます。平日、休日ともに掃除に来て下さり、またどのかたもすごく親切で、愛想もいいです。国教では週一回、シーツ交換と床掃除もしてくだいます。

《生活》

大学内や寮周辺には、スーパーやコンビニ、多くのレストランや料理屋、食堂などがあり、必要なものはおおかたそろえることができます。(料理屋などに関しては、次号以降で改めてご紹介したいと思っています。)

また、大学前には路線バスのバス停が、歩いて15分ほどのところには地下鉄の駅がそれぞれあり、交通の面でも恵まれているといえます。

このように、比較的済みやすい環境ではありますが、いくつか不便に思う点もあります。

まず、「水道水が汚い」という点。うっかり水道の水を飲んだ日本人の知人がおなかを壊しました。また、時偶(この二か月で3回)水道からコーヒー牛乳のような色の水が噴き出た他、常に薬品のにおいが漂う、といった有様です。水道をひねれば飲み水が、という日本の「当たり前」が、実は非常に恵まれたことであったと改めて実感しました。

もう一つ、トイレの紙を流せない…という点。中国では(或いはほかの国でもそうなのかもしれませんが)使用済みのトイレットペーパーは横に備え付けられたかごに入れる、という習慣があります。トイレットペーパーが日本と違い水溶性でないため、下手をすると詰まってしまうからです。私はこの習慣に馴染むまでに随分時間がかかりました。現在でも、寝起きなどにボンヤリしていて、うっかり…ということが時偶あります。

どちらも日本での「当たり前」が定着していたがために感じる「不便さ」です。

 

<交通について>

《マナー》

こちらに来てまず驚かされるのが交通マナーの悪さです。歩行者、二輪、自動車が入り乱れています。歩行者優先の日本と異なり、たとえ青信号で横断歩道を渡っていたとしても、右左折の車は曲がってきます。これは乗用車や二輪だけでなく、タクシーやバスにも言えることです。私自身、こちらに来てからギョッとさせられる経験を何度もしております。(あと一歩前に進んでいたら確実にひかれていた、など)

さらに、中国では「信号無視」が非常に多いです。日本でも度々見かけますが、こちらはその比ではありません。車も人も、少しでもタイミングがあれば(ひどい時は車や人が来ているときでも)無理矢理渡っていきます。

こちらに来て以降、まだ一度も交通事故を目にしてはいませんが、少なくともこの習慣に馴染みのない私にはかなり危険でしょう。

「郷に入っては郷に従え」というありがたいお言葉がありますが、こればかりは従うわけにはいかないなぁ…と思いました。

こちらの信号には、変わるまでの秒数が表示されます

《交通機関》

市内の移動で主に用いられる公共交通機関は、「路線バス」、「地下鉄」、「タクシー」です。

・「路線バス」

大学の最寄りのバス停は「上海师大」(正門の道路を挟んだ向かい側)

非常にたくさんの路線、バス停があり、うまく活用できれば市内のほぼ全域に行ける、とのことでした。料金は2元(空調つき バスの路線番号の前に「空调」の文字がある)或いは1元(空調はなし)の同一運賃のものが多いように思います。路線によっては距離ごとに運賃が変わる、というものもあるようですが…。各バス停には主な停車バス停名と料金が書かれた看板があります。乗り込みは前のドア、降りるのは後ろのドアからとなります。

料金は先払いです。バスによって、乗りこみ時に機械に運賃を入れるタイプのものと、後面の車掌にお金を払うタイプのものがあります。おつりは出ないので、細かいお金が必要です。

※時間によっては非常に混雑します。また、バス乗車中にスリにあう、ということが多々あるようなので、自身の荷物はきちんと管理する必要があります。

・「地下鉄」

大学の最寄駅は「桂林路」駅、「上海南站」駅 ともに大学から徒歩15~20分

こちらもバス同様、上海市内の各所に駅があります。本数も非常に多く、ほとんど待つことなく利用することができます。料金は乗り継ぎの回数や目的地にも依りますが、おおよそ3~8元ぐらいです。

先に券売機や窓口で切符を購入することになります。券売機のほうが断然便利ですが、機械が故障していたり、お札が使えなかったり…などと言う場合には、窓口で購入することになります。券売機では50元札や100元札はまず使えないので注意する必要があります。

切符購入後、簡単な手荷物検査があります。空港であるようなX線を使ったものです。以前一度、私が持っていたお茶が引っかかったことがありましたが、中身を見せるとすぐに通してもらえました。しっかりと検査をしているような印象はあまり受けませんでした。

駅構内にはたくさんの案内板があり、それに従って移動をします。ホームにはガラスの扉があり、転落を防止しているようです。乗降時、周りの人に押し出されるような形になることがあるので、注意が必要です。

※バス同様、混雑時にスリなどが発生するようです。手荷物の管理には注意が必要です。

写真左)券売機 右)検査所

・「タクシー」

市内全域(場所によってはつかまりにくい)

料金は初乗り14元、○○キロまでは何元/km、それ以降は何元/kmです。複数人での乗車の場合、割り勘で比較的安く利用することもできます。

運転手の方の中には気さくな方もいらっしゃいますし、会話の機会にもなります

※運転手が道を知らない、目的地を間違える、不当な料金の請求をするなどということがあるそうです。領収書をもらう・あらかじめ目的地の住所や地図を調べ運転手に見せる、等の対策をする必要があります。

 

○便利グッズ

・「交通カード」

路線バス、地下鉄、タクシーなど、大方の交通機関で使用できるプリペイドカード。

地下鉄の駅などで購入・チャージ可能、デポジットは20元。

小銭を用意する必要がなくなり非常に便利です。多くの乗客がこのカードを使用しています。

・「『上海交通地図』」

バス停名、路線図などが全て載っているそうです。値段は不明。

使いこなせるようになるまで随分と時間がかかるようです。

・「地下鉄路線図」

地下鉄の駅名と路線が書かれています。南京東路などで配られています。

ガイドブックなどにも路線図はありますが、携帯にはこちらのほうが便利だったりします。