Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

上海師範大学
2015年3月号 文学部 M.T

<オリエンテーションについて>

3月2日から6日にかけての約一週間、オリエンテーションが行われます。本年度の内容は以下のとおりです。

 

3月2日:①新入生登録・②プレースメントテスト 場所:ICCS

①…学費の支払いや入学に際して必要な書類の作成などが行われます。この時、日本から持参した写真や書類、パスポートなどが必要となります。(何が必要となるかわからないので、とりあえず一式持って行きました)

なお、私たち交換留学生は学費免除となるので、この時お金を払う必要はありません。

話しかけられる言語は基本中国語ですが、手続きを担当してくださる方々の中には日本語を話せる方もいらっしゃるので、何の問題もなく比較的スムーズに手続きを終えることができました。

②…①を終えた続きで、プレースメント(クラス振り分け)テストが行われます。「テスト」とありますが、日本の大学のような筆記試験などはなく、先生からの質問(日本でどれくらいの期間中国語を勉強してきたのか、など)が少しと、渡された教科書の本文を音読する、といった程度のものです。

ここで暫定的にクラスが決められ、翌週の授業開始から一週間、実際に授業を受けてみて、自身のレベルに適しているか確認することとなります。レベルが高すぎる、或いは低すぎるといった場合には、クラス変更が可能です。(なお下のクラスから上のクラスへと変更するときは、別途試験を受ける必要があります)

 

3月4日:①各種ビザの説明、登録・②保険加入・③学生証に用いる写真撮影 場所:ISC

①…まず初めに、ビザに関する説明や登録が行われます。この時、複数の書類が必要となりますので、忘れないようにしないといけません。(忘れた場合、部屋にとりに戻らされます)また、必要書類の中に「パスポート、ビザのコピー」が含まれます。事前に日本で準備していくのがベストなのかもしれませんが、大学内でもコピーはしていただけます。

②…加入は任意です。私は龍谷大学指定の保険にすでに加入していたので、こちらの保険には加入しませんでした。大学の方の誘導に従うと保険に加入する流れになるので、「日本ですでに加入してきた。だからこの保険には加入しない」という旨を伝えなければなりません。なお、この保険に加入する場合、800元/1年をこの場で払う必要があります。

③…学生証は大学内の食堂などを利用する際や、寮の部屋でインターネットを使えるようにしてもらう際などに必要となります。学生証の公布はすぐに行われるわけではなく、写真撮影後1週間~2週間ほどかかります。撮影の際はしっかりと目をあけましょう…私のように半目開きの写真が使われてしまうことになりかねませんので…。

 

3月5日:①始業式・②キャンパス案内 場所:ICCS

①…留学生を担当してくださる先生方からのあいさつ、学校生活における諸注意などがあります。前者は中国語、後者は中国語と英語を用いて行われます。

②…この時、各国籍ごとに集まるので、日本人留学生と知り合うことができます。中には昨年の9月から上海に留学している人もいらっしゃいますし、いろいろなことを質問できる良い機会となります。この機に知り合いを作っておくと、後に困ったことになった時にとても心強いです!

 

3月6日:①クラス、時間割発表・②教科書購入 場所:ICCS

①…師範大学では、各レベルごとにいくつかのクラス(班)があります。授業のコマ数自身は同じですが、時間割はクラスそれぞれで異なっております。1クラスはだいたい20人程度、韓国人・インドネシア人の留学生が多いです。対して日本人の人数は非常に少ないので、1クラスに1人ないし2人、といったところです。

②…次に教科書を買います。レベルごとに使用する教科書も異なります。私の場合、教科書代は合計で204元でした。

 

3月11日:健康診断・診断結果の確認 場所:ISC

…国内で受診済みの場合、その検査結果(外国人体格検査記録)やデータ(血液検査の詳細やX線フィルムなど)を持っていきます。また、パスポートも必要です。確認自体はすぐに済みますが、検査項目等に不備があった場合は改めて検査を受ける必要があります。私は血液検査の項目が足りなかったため、改めて採血をされました。不備がなかった場合は75元で済むのですが、私のように採血をした場合は175元かかりました。

 

3月26日:居留届申請 場所:ISC

…各自申請ではなく、学校がまとめて申請してくださいます。ここではパスポートの他、申請の費用400元が必要となります。この時、いったんパスポートを大学側に提出します。受け取りの日時を知らされるので、忘れず受け取りに行くようにしましょう。

なお、この時に手続きを行わなかった場合、各自で公安へ行き、申請をしなければならなくなりますので、忘れていた!…なんてことの無いように注意しましょう。(一応、直前に先生方も声掛けをしてくださいますが…)

 

以上がオリエンテーションの日程です。ほとんどの手続き(健康診断・居留届申請除く)は午前中には終わりますので、午後からは自由な時間をとることができます。携帯電話や交通カード、日常生活に必要なものなどはこの期間に買っておくと良いでしょう。また、この一月は随分とお金が入り用になってきます。こちらのATMなどでお金を引き出すこともできますが、日本からやや多い目に現金を持って行くほうが良いと思います。(上記の費用の他、寮の部屋のカギの補償金(500元)なども、たいてい現金支払いとなるので…)

ICCS:对外汉语学院                       ISC:留学生中心

選択科目や旅行の申し込み、学生証の受け取りなどをします。    入学後の手続きなどで複数回使いました。

正門から入って一本目の通りを右折、左手側に見えます。      正門から入って、すぐ左手側に見えます。

<寮紹介>

私が現在泊まっているのは、校外にある上海教育国際交流中心、通称「国交」です。

校外といっても、正門から歩いて五分もかからない位置にあるので、別段不便ということもありません。むしろ、私たち留学生が普段授業を受ける「南大楼」には一番近いので、そういった面では便利といえるでしょう。

国交には一人部屋と二人部屋があります。備品などはともに同じで、引き出しやクローゼットなどが二人分ある、という程度の違いしかありません。

なお、階によって床がフローリングだったりカーペットだったり、といった違いがあるようです。ここでは現在泊まっている4階の部屋を紹介します。

1人部屋                   2人部屋

 

国交の一階にはフロントの他、レストランや喫茶店(?)などがあります。

二階奥(エレベーターを降りて右にまっすぐ)にはランドリー&キッチンスペースがあります。洗濯機を使うには、フロントでランドリーカードを買う必要があります。(ランドリーカード:65元(うちデポ15元)/10回)

また、洗濯物を干すスペースもあります。

各階、エレベーターホールがあります。昼には勉強や談笑を、夜には集団でお酒を飲む姿が見られます。また、部屋の掃除をしてくださっている方たちにも度々遭遇します。(みなさんスゴく愛想がいいです!!)

左写真は何故かどの階にもある落書き“静かにするな”笑

 

 

<この一月における私の“気づき”>

こちらに来て私が真っ先に感じたのは、日本人の听力(聞き取りの力)が、他の国と比べて劣っている、ということでした。先生方の問いかけや説明、また街中で声をかけられた際などに、おっしゃっていることが聞き取れないことが多々あり、非常に困りました…というか現状、まだ困っております…。

日本にいたころ、わからないところは日本語で質問して、日本語で説明してもらう、というのが当たり前であり、また「教科書を理解する」という形で中国語を学んでいたため、教科書の中に出ない言葉を勉強することも少なく、結果的に語彙の少なさや聞き取る力の不足がこちらに来て浮き彫りになった、ということでしょう。読めるのに聞けない、話せない…すごくもどかしいです…。

それでも、先生方や留学生の方たちとの会話は楽しくもあります。私は中国語のほか、英語や韓国語が話せるわけでもないため、周囲にいる異国の方々との意思疎通は難しい状態ですが、それでもみなさんは話しかけてきてくださいますし、グループワークなどでも、こちらのわかるようにゆっくり話してくださったり、紙に書いてくださったり…本当に様々な場面で助けられており、「人に恵まれているなぁ」とたびたび感じております。

この周囲の人の優しさもあり、なんとか今のクラスで頑張れています。もちろんこの優しさに甘え続けるわけにはいきませんし、少しずつでも力を付け、満足に会話できるようになれるよう、精進していきたいと思います。

 

次号からは上海らしい、或いは上海師範大学らしい内容を報告していきます。