Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

上海師範大学
2010年10月号 文学部 H.M

@この一年を振り返って

この一年、様々なことを経験しました。それは必ずしも楽しいものばかりとは言えません。ですが、経験したことのすべてが私にとってとても価値のあるものです。

楽しいことといえば、それは人との交流でしょう。中国にきているのですから中国人と交流できるのは当然のこと、クラスには韓国人やインドネシア人、タイ人、欧米人もいます。自分とは違う国の人々と直に交流ができたことは、私の視野を広げてくれました。また、交流できるのは外国人だけではありません。様々な理由で中国にきている日本人とも交流ができます。私は日本で自分の年代以外の方と接する機会が少なかったので、上海で様々な年代の日本人とお話ができたことはとても新鮮で、ためになりました。もちろん日本人ばかりと交流しているのでは留学している意味がないですが、自身の未来(帰国後のことや、仕事についてなど)について考えるにあたっては、日本人との交流はとても分かりやすく、多くの発見があるのではないかと思います。

ではつらかったことは何か。それは誰であれ同じだと思いますが、様々な問題と向き合わなければならなかったことです。海外での生活ですから、生活習慣の違いなどから周りと衝突があったり、うまく言葉が通じないことでもどかしさやいらだちを感じたことなどたくさんありました。私にとって一番つらかったのは、話さなければいけないということです。私は日本語でもあまり話すことをしたくない内向的な性格をしています。ですから中国語を使って話しをすることも苦手です。中国に来たばかりの頃は、ほとんど自分から話すことはなく、相手の話を聞いているという状態でした。当然こんなことでは中国語が話せるようにはなりません。友達からも「君は話をしないから駄目だ」と何度も言われました。もちろんとても落ち込みました。しかし落ち込んでいるだけでは解決しません。自分から行動を起こさないと、状況は何も変えられないのです。この一年間で、そのことを実感し、少しずつですが改善していくようにしてきました。今でもあまり話すことは好きではありませんが、留学に来る前と比べると、少しは良くなっているのではないかと思います。

この一年間、たくさんの人と交流し、たくさんの問題と向き合いました。これらの経験がすべて私のこれからを支えてくれる柱になるのだと思います。

 

 

@帰国後どう留学経験を生かすのか

・学習の継続

せっかく一年間留学したのに、帰国してからまったく使わなければ知識は抜け落ちてしまうばかりです。ですから、帰国後も中国語の勉強をつづけ、できることならば中国と関係のある仕事をしたいと考えています。また、中国文化の勉強なども続けたいですし、中国だけでなく、留学中に興味を持った韓国やタイなど各国の文化についても知識を広げて生きたと思います。そのために、日本にいながら外国人と交流のできる方法などを模索しているところです。

 

・留学体験の発信

帰国後、この留学経験を自分だけのものとするのではなく、自分以外の人へ発信していこうと思っています。

一年間海外で生活するということは安易に決断できることではないです。「留学しても…」と行く前に諦めてしまったり、せっかく留学に行こうかと考えても、たくさん疑問や不安が出てきていく気をなくしてしまったり、そんなことがあると思います。私もこの交換留学を決めるにあたってたくさん悩み、たくさんの方に相談をしました。とくに留学を経験された方には大変お世話になりました。私の疑問や不安について明確な回答やアドバイス、時には励ましの言葉などもいただきました。ですから、私も今後留学を考えている方などに対して自分の留学経験を発信していければと思います。

 

 

@異文化交流~誕生日編~

授業中や遊んでいるとき、食事の時など様々な国の人が一緒だと、それぞれの違いに気付くことができます。それは些細なことであっても、とても新鮮で楽しい発見です。

今回は中国人、韓国人、インドネシア人の誕生日の過ごし方について簡単に紹介したいと思います。もちろんすべての人がこうだというわけではありません。ですが、私が留学中によく見たり聞いたりしたことです。

 

・中国人(大学生、女)

中国人は誕生日の時、友人同士で遊びに行きます。場所は人それぞれですが、私の友人の時はゲームセンターに行って、そのあとカラオケに行きました。そしてケーキをみんなで食べます。こう書いてみると、日本の大学生と大して変わりません。しかし、決定的に違うことがあります。それは、ほとんどすべてのお金を、誕生日を祝ってもらう本人が払っているということです。要するに、祝われるべき人に奢ってもらうわけです。あまり人に奢られることのない日本人としては、とても驚く点だと思います。

 

・韓国人(20代、女)

韓国人の女の子は、よく自分の誕生日に友達に対してお菓子を配ります。その時、彼女たちは「今日が自分の誕生日だから」とはあまり言いません。私も初めてこの光景を見たときは意味が分かりませんでした。しかし、この一年で何度も同じことを経験し、最近では韓国人の友達がお菓子を配っているのを見ると誕生日なのかな、と思うようになりました。ちなみに、私の友人たちはよくロッテのお菓子を配ってくれます。日本でもよく見るものや、日本では見たことのないもの、いろいろ食べることができました。

 

・インドネシア人

インドネシア人は、上海師範大学の留学生のうち大半を占めます。ですから、校内でもよくインドネシア人のグループを見ることがあります。だからかもしれませんが、インドネシア人が誕生日の時はたくさんの人が集まってお祝いをしています。私の隣人がインドネシア人なのですが、彼が誕生日の時は夜中の12時になると同時にたくさんの彼の友人たちが彼の部屋を訪問し、「HAPPY BIRTHDAY!!」と大声で祝っていました。無関係の人間としては、騒音以外の何ものでもないのですが、誕生日だからいいか、と私は思っています。あと、私自身は見たことはないのですが、たまに生卵を投げ合っていた、という話を聞くことがあります。ともかく、彼らの誕生日はとても楽しそうです。