Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

中国人民大学
2013年9月号 国際文化学部 S.H

・カルチャーショック

北京に来た当初はカルチャーショックの連続でした。外国に来ること自体が初めてだったので、今まで日本しか肌で感じたことのなかった私にとって衝撃的なことがたくさんありました。まず、中国の交通面ですが、タクシーにしても公共バスにしても運転の仕方が荒いです。急停車は当たり前で、明らかに必要だと思われるところに信号がなかったり、何回も頻繁に故障したりと、日本と比べると交通のインフラ整備が全然追いついていないのが現状です。一見、北京の道路は広くて便利に思われますが、自動車が渋滞している光景も見慣れたもので、あまり快適とはいえません。そんな整備が行き届いていない道路で内心いらいらしている利用者が多いせいであろうか、思いっきりスピードを出して走る自動車がとても多いです。クラクションを押す回数も並みではなく、常にクラクションが鳴りっぱなしというのが北京の道路です。歩行者や自転車に乗る人は横断歩道を渡るときは油断せず気をつけて渡ってください。また、北京の道路の脇には自転車専用の道がありますが、これはとても便利です。私も自転車でよく街に出かけることがありますが、そもそも以前の自転車大国のような面影は今の中国にはあまりなく、歩行者とぶつかる心配も少なく快適です。次に、服務員の接客態度です。北京に限らず中国全体的に見ると、服務員の態度が決して良いものではないようです。スーパーで物を買った時、投げるようにお釣りを返されることや、レストラン内でテレビを見ながら仕事をしないなど。基本的に日本人の求める水準が高すぎてショックが大きすぎるのではないかと思いますが、中国人の友達でも中国人の接客態度は悪いと言っていました。元々中国では「接客態度」に対する期待が日本と比べて差がありすぎるのだと思います。中国・北京で生活する中で、嫌な部分ばかり目立ってしまう気がしますが、反対に私が好きな中国文化は「皆で食事を楽しむ」ということです。食事にしても旅行にしても一人でするよりは友達と皆でやる方が良いというもはや中国人の常識的発想です。いったんできた大切な人とのつながりはずっと大事にしたいという思いで、あの中国式丸いテーブルが生まれたんだと思います。生身の人間ではなくパソコンに向き合いがちなこの現代社会、友達と皆で円になって座り、美味しい料理は皆で食べたいというこの中国の文化は大切にされていくべきものだと思います。

 

・北京・中国人民大学の特色

北京に留学に来て早や7か月が過ぎましたが、北京そして中国人民大学に留学させてもらえていることがとても幸せを感じます。そこで、北京や北京の大学について紹介したいと思います。まず、中国人民大学ですが、「さくら会」という交流会があります。この「さくら会」は日本語学科の中国人学生が立ち上げたもので、半年に一度、日本語学科の学生と交流できる場が設けられます。ここで多くの人がランゲージパートナーを見つけます。半年に一度しかないのは少なすぎるのではないかと思うので、1か月に一度開催できないかどうかを「さくら会」の会長と相談しているところです。一回の開催で仲良くなる友達の数には限界があります。何度も開催していくなかで国籍関係なくたくさんの共通の友達をつくり、輪を広め、情報を共有し、中国語・日本語を通してお互いの国のことについて紹介できる機会が増えていければと強く思っているからです。

また、毎年10月に開かれる「中国人民大学国際文化際」では、30か国ほどの国の学生が参加し、互いに自国の文化・食べ物・衣装などを紹介します。各国の舞台披露もあります。今年の国際文化際では、もう一人の龍谷大学の友達と一緒に日本人学生の舞台披露として日本舞踊・よさこいを企画し、皆で練習を始めています。”練習から皆で楽しもう”をモットーに日本人学生が一つになって毎日1時間の練習に励みとても充実しています。本番も一日本人としてそして皆で、中国に、外国に、日本の良さ・誇りを伝えたいという思いで胸が期待で膨らんでいます。とても楽しみです。また、中国人民大学以外にも、近くに隣接する中央民族大学は中国民族教育の最高権威で、約半数もの学生が少数民族といわれています。そんな中央民族大学では、毎週金曜日に「少数民族交流会」が開催され、一緒に踊ったり歌ったりしながら各民族の友達と仲良くなることができます。興味がある方はぜひ民族大学にも足を運んでみてください。56の民族がすべて住んでいるという北京は、中国国内で大学の数No.1を誇る。語学留学先1位も北京。つまり国籍問わず学生が多いということです。漢族のみならず、56の少数民族、さらには他国の学生とも盛んに出会えるチャンスがここ北京には確かにあります。上海や大連は日本人が多いですが、反対に北京は韓国人が多いです。学生街である「五道口」や北京の東にある「望京」などがコリアタウンとされ、いつでも韓国人を見かけます。すでに私も韓国人の友達だけで結構います。また、北京は古いものと新しいものが共存する都市であり、昔ながらの町並み「胡同」や「故宮博物館」、風水に基づいた街の形など、伝統を重んじる北京の誇り。龍谷大学のある京都と共通する部分があるのではないでしょうか。