Center for the Promotion of Global Education

グローバル教育推進センター交換留学マンスリーレポート

大連外国語大学
2015年4月号 政策学部 N.N

【環境について】

大連外国語大学は、中国東北部の旅順に位置する外国語大学です。大学がある場所は都会から少し離れていますが、自然豊かで比較的空気も良く、どこの国の人でも住みやすい街です。

大学内はとても広く、授業を受ける棟や体育館、図書館、3階建ての食堂、スーパーや美容院・雑貨屋・郵便局・携帯電話会社・レストラン・カフェなどが全て入っている総合棟、国際交流センター、宅急便センター、留学生寮、学生寮、研究生寮、教師寮など色々な施設が大学敷地内に揃っています。

私たち交換留学生は、基本的には大学内に三棟ある留学生寮の中で一番東の寮に住みます。留学生寮の設備は中国人用の学生寮に比べて優遇されており、部屋の広さが倍以上あります。3月号のマンスリーレポートにも記載しましたが、私は6人部屋に住んでいます。6人部屋には、ダイニング、リビング、キッチン、個室が3部屋、シャワールームが2部屋あり、電気代と水道代は規定量まで無料で使うことが出来ます。Wi-Fiは、申請してお金を払えば誰でも使用することが出来ます。最近留学生寮のWi-Fiの設備が一新され、以前よりもネット環境が良くなりました。

留学生寮の中でも勉強する環境は整っていますが、学外に出て勉強する学生のほうが多いように感じます。大学から徒歩5分圏内にカフェが約10店舗あるので、紅茶でも飲みながらゆっくり勉強をしようという選択をする学生が多いのだと思います。

 

【旅順という場所について】

旅順は、日露戦争の際の重要拠点であり、この地を争って日本軍とロシア軍は幾度も兵を送り出し、そのたびにおびただしい数の戦死者を出しました。旅順には今も戦争の悲惨さを感じることのできる場所が幾つもあります。その中でも一番有名なのは203高地です。203高地は、旅順港のすぐそばの海抜203メートルの高地で、日露両国が旅順港を奪うためにここで激戦を繰り広げました。

現在、203高地には国籍を問わず多くの観光客が訪れています。高地の一番上には、戦後日本軍の戦死者を供養するために乃木希典が建てた爾霊山塔があり、203高地に設置された観光客向けの看板には、中国語、日本語、ロシア語で説明が書かれています。ここ旅順の地では、日露戦争によって多くの日本人、ロシア人、中国人、それから朝鮮系の人々も亡くなりました。

今、大連外国語大学では多くの日本人、ロシア人、韓国人が同じ教室で中国語を学んでいます。今も領土問題や歴史認識の問題など、様々ないさかいの種を抱えている国同士ですが、その国の若者たちがこうして同じ学校で切磋琢磨できること、本当に素敵なことだと思います。共に学ぶだけでなく、共に遊び、共に暮らし、文化の違いや習慣の違いも越えて皆お互いを理解しようと努めています。異文化理解というのは私が考えていたよりもずっと苦痛を伴うものですが(苛立つことも喧嘩に発展することもあります)、そういった困難を乗り越えてお互いを理解していくことが平和への第一歩だと考え、頑張っていきたいと思います。